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【商業】ヘルスケア産業が急成長 高齢社会を追い風に市場規模1.25兆バーツへ

タイのヘルスケア産業が急拡大している。商務省によると、2025年の市場規模は約1.25兆バーツに達する見通しで、年平均成長率は9.2%。医療観光、民間病院、健康食品の3分野が牽引している。
また、高齢化率は全国人口の21%に達しており、2030年には25%を超える見通しだ。

タイはASEAN有数の医療ツーリズム拠点であり、2024年の外国人医療観光客は約410万人。主な来訪者は中国、ミャンマー、カタール、バングラデシュなどで、平均治療費は1人あたり6万バーツ。バンコク・サミティベート、バムルンラード、バンコクなどの大手私立病院は海外患者比率が50%を超える。

タイ政府は2025年から「ウェルネス・ハブ・タイランド」戦略を展開。医療、スパ、リハビリ、リタイアメント施設を一体化したゾーンを全国4地域に設置する。タイ投資委員会(BOI)はこの分野を優遇投資カテゴリーに追加し、法人税免除最大8年を認めている。

医薬品市場も拡大しており、2025年の規模は3600億バーツに達する見込み。ジェネリック薬と機能性サプリメントが成長を牽引する。バイオ医薬品開発でも、タイ科学技術研究機構(NSTDA)が日本・韓国企業と共同研究を進めている。

労働省は今後5年間で医療関連職の新規雇用を25万人創出する方針を示す。観光と医療の融合による「メディカル・ツーリズム」は、タイ経済の新たな柱として位置づけられている。

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