【三面】バンコクでケタミン300キロ押収 麻薬密売組織幹部格の男2人を逮捕
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タイ警察はこのほど、バンコク都内で麻薬密売組織の幹部格とみられるタイ人の男2人(25歳、28歳)を逮捕し、ケタミン約300キロを押収した。押収量は末端価格で約1億5000万バーツに相当するとされ、国内でも大規模な摘発事例である。
警察によると、押収されたケタミンは倉庫に保管され、アジア域内の取引ネットワークを通じて販売される計画だった。ケタミンは本来、医療用の麻酔薬として使用される一方、幻覚作用をもたらすことからパーティードラッグとして乱用されており、タイ食品医薬品局は向精神薬法上の第2種向精神薬として厳しく管理している。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)は、メコン地域を含む東アジア・東南アジアで、メタンフェタミンなど合成麻薬に加え、ケタミンの市場が拡大していると指摘。タイでは近年、ケタミンや関連薬物の押収量が増加しており、2024年にはバンコク港で台湾向け貨物に偽装されたケタミン約320キロが摘発されるなど、大規模な密輸事件も相次いでいる。
タイ政府は、麻薬取締委員会や警察、関税当局が連携して摘発と資金洗浄の両面から取締りを強化しており、国境検問所や港湾・空港での検査強化に加え、電子取引や暗号資産を利用した決済ルートの監視にも尽力。今回の摘発は、国内外に広がる密売ネットワークの一端を押さえたものとみており、警察は背後にいる組織の資金源解明に力を入れている。
