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【社会】タイで横行するオンライン型ヤミ金 年利3400%で貸金していた男逮捕

タイ警察庁経済犯罪制圧課はこのほど、法定金利を大幅に超える年利3400%で貸金行為をしていた容疑で、27歳の男をバンコク都チャトゥチャク区で逮捕したと発表した。容疑者には昨年10月に逮捕状が発付されていた。

近年タイでは、SNSやメッセージアプリを通じて個人向けに融資を持ちかける「オンライン型ヤミ金」が増加。金利の高さに加え、返済が滞った利用者に対し、個人情報や家族情報を用いた威迫、SNSでの晒し行為などの強圧的な取り立てが問題となっている。

背景には、物価上昇や低所得層の家計負担増がある。タイ中央銀行(BOT)の調査では、家計債務はGDP比で約90%に達し、返済余力が乏しい家庭が増えている。銀行や正規金融機関の審査を通過できない人々が、容易に借りられるヤミ金に流れているようだ。

SNS上では「即日融資」「保証人不要」「審査なし」といった文言が出回り、若年層や非正規労働者を中心に利用が広がっている。ただ、借り手は一時的な資金を得ても、高金利により返済はすぐに出来なくなり、遅延が新たな借金を呼び、生活の破綻につながるケースも少なくない。

警察当局は、こうした違法貸金業の取り締まりを強化するため、オンライン上の広告監視や金融機関との連携を進めている。しかし、犯行グループの多くが個人名義口座や海外サーバーを利用しており、摘発は容易ではない。捜査当局は国民に対し、「公式登録された金融機関以外からの借入を避け、SNS上の融資勧誘に応じないよう」注意を呼びかけている。

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