期間限定バンコク週報無料購読キャンペーン実施中

【三面】政府職員なりすまし詐欺でマレーシア人逮捕 「銀行口座が犯罪に悪用」と偽る

タイ警察は、警察官などを装って高齢者から金銭を騙し取った容疑で、マレーシア人の男(26)をバンコク都ドンムアン区で逮捕したと発表した。被害者は、「銀行口座が犯罪に悪用されている」とする電話を受け、政府職員になりすました容疑者に合計330万バーツを渡していたという。

今回の詐欺には、近年急増する「なりすまし型コールセンター詐欺」の典型的な手口が用いられていた。詐欺グループは、偽の捜査番号、事件記録番号、国家機関のロゴが入った偽書類などを提示し、被害者に「口座が犯罪組織に利用されている」「あなた自身が捜査対象になる可能性がある」と心理的圧力をかける。さらに、「安全な預かり口座へ一時的に資金を移す必要がある」と誘導し、実際には詐欺グループの管理する口座へ送金させていた。

犯行にはインターネット通話アプリやVoIP回線が利用され、電話番号表示を公的機関の番号へ偽装する「番号なりすまし」技術が用いられていた可能性が高い。これにより、受信者は本物の警察や省庁から連絡が来たと誤認してしまう。

タイ警察によれば、この種の詐欺は訴え出をためらう高齢者を狙う傾向が強く、被害が表面化しにくい。警察庁は通話ログ解析や銀行取引追跡による犯行ネットワークの特定を進めているものの、指示役は国外の拠点から遠隔操作している例が多く、摘発を困難にしている。

当局は国民に対し、「政府機関は電話で送金指示を行わない」「身に覚えのない捜査連絡は、必ず公式ダイヤルに折り返して確認する」など注意を呼びかけている。

この記事がお役に立ちましたら
フォローをお願いします

シェアしていただければ幸いです
目次