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【三面】タイ・カンボジア国境で特殊詐欺の拠点摘発 外国人3人拘束しSIM1000枚押収

カンボジアと国境を接するタイ東部サケオ県でこのほど、特殊詐欺に使う通信機器を密輸し、タイを活動拠点としていた詐欺シンジケートの関係者とみられる外国人3人が逮捕された。逮捕されたのは中国人、米国人、インド人各1人で、いずれもカンボジア側からタイに不法入国した直後に身柄を拘束されている。中国人容疑者の所持品からはSIMカード約1000枚が見つかり、押収された。

タイ警察によれば、SIMカードを大量に確保することで、発信番号を頻繁に変えながら、銀行職員や警察官などを装っての電話詐欺やワン切り詐欺を繰り返していた疑いがあるとのこと。こうしたシンジケートの多くは、カンボジア・ポイペト周辺のカジノ地区などに拠点を構え、国境を越えてタイ国内の通信網を悪用する形で活動しているとされる。押収されたSIMカードの発行履歴や送金記録の解析が進めば、背後にいる指示役や資金の流れの解明につながる可能性が高い。

タイでは近年、電話やSNSを利用した特殊詐欺被害が急増しており、警察当局は通信規制当局と連携し、SIMカードの実名登録徹底や国際ローミングの監視強化など対策を推進。銀行各社もワンタイムパスワードの導入や高額送金時の確認プロセス見直しを進めているが、詐欺グループは新たな手口を次々と編み出しており、治安当局との「いたちごっこ」が続いているのが実情だ。

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