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【経済】タイ25年第4四半期のクレジットカード利用額は横ばい 高所得層は外食と旅行支出が堅調

UOBタイは、第4四半期のクレジットカード利用額が大きく伸びない見通しを示した。政府は消費刺激策を実施しているが、家計負担の重さや景気回復の遅れから、消費全体を押し上げるまでには至っていないという。

UOBタイによれば、カード利用額は今年1〜9月期で前年末と同水準にとどまり、第4四半期も横ばいが続く見通し。一方で、月収20万バーツ以上の高所得層では、外食、旅行、ブランド品などの支出が堅調であり、階層間で消費行動に差がみられているという。

同社は今年、資産健全性を優先し、新規カード会員獲得を抑制した結果、不良債権比率は業界平均2%を下回る水準で維持していると説明した。

このほか、タイ・アユタヤ銀行消費金融部門であるクルンシー・コンシューマーも同様に、今年はカード・個人ローンともに伸び悩みが続くとみる。ただ、同社は年間カード利用額が年末にかけて約2%増加し、最終的に4000億バーツに達すると予測。政府の所得控除を組み込んだ国内旅行促進策が、外食・宿泊関連の支出を押し上げる可能性があるためだ。

一方、タイ中央銀行(BOT)の家計債務統計によれば、家計債務はGDP比90%前後と高水準が続く。特に自動車ローンとカード返済の負担増が家計を圧迫し、消費の伸びが抑制される構造が続く。ただ、観光産業は回復基調にあり、外国人観光客数は2024年も増加が見込まれている。観光消費の再拡大が、都市部サービス分野の支出を下支えしているという。

EC利用の広がりもカード利用を支える要因となっている。UOBの調査によれば、消費者の45%がSNSライブ配信を視聴しながら商品比較を行うなど、購入決定前の検討時間が長期化する傾向がみられるとのことだ。

第4四半期のカード消費は大幅回復こそ期待しにくいが、観光回復と高所得層の支出が全体を支える構図が継続する見通し。

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