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【社会】タイ保健省、医療用モルヒネ精製目的のケシ栽培に前向き姿勢 ハーブ輸出拡大を国家戦略に

ウォラチョート副保健相は、保健省伝統医療開発局において、ケシを管理下で栽培すれば製薬分野の発展につながり、農家支援にも資するとの見解を示した。ケシからはアヘンを採取でき、医療用モルヒネを精製することもできる。

医療用麻薬の需給は世界医療市場での課題となっており、WHOは途上国での医療用モルヒネの不足を指摘してきた。タイではこれまで麻薬取締法の下でケシ栽培は厳しく禁じられてきたが、保健省は国際的な医療規格に沿った管理栽培の可能性を議論している。タイ伝統医療の振興を担う同局は、ハーブ産業の輸出拡大を国家戦略に掲げており、医療分野での新たな付加価値創出を視野に入れている。

ただ、麻薬乱用への懸念は根強く、内務省や警察庁は慎重な姿勢を崩していない。政府は制度設計や監視体制のあり方を検討しつつ、医療需要と治安面のバランスを見極める方針だ。

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