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【三面】バンコク倉庫を拠点に仮想通貨投資詐欺 警察が外国人15人を一斉摘発 周辺住民から苦情

首都圏警察はこのほど、警察庁サイバー犯罪制圧部門と連携し、バンコク都ブンクム区ソイ・ヌアンチャン36〜38付近にある倉庫を急襲し、仮想通貨投資詐欺に関与した疑いで外国人15人を逮捕した。周辺住民から、ヌアンチャン・エリアの倉庫から昼夜を問わず騒音が聞こえ、大勢の外国人が出入りしているとの苦情が寄せられており、捜査当局が内偵を進めていた。

地元英字紙などによれば、倉庫内は外部から見えないよう窓がふさがれ、内部には大型の部屋と別の一室が用意されていた。警察が突入した際、複数のパソコンとスマートフォン、被害者とのやり取りに使う定型文台本が見つかっており、容疑者らは専用ウェブサイトを通じて仮想通貨への「高利回り投資」を持ちかけていたようだ。逮捕者の国籍はアゼルバイジャンやジョージアなど東欧・旧ソ連圏が中心となっている。

投資詐欺の手口は、SNSやメッセージアプリを通じて接触し、友人関係や恋愛感情を装って信頼を得たうえで、実体のない投資サイトへ送金させるという典型的なもの。米財務省金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)も、こうした仮想通貨投資詐欺では、見かけ上は一般の投資プラットフォームを装いながら、実際には犯行グループが資金を管理しているケースが多いと警告している。

タイでは、オンライン詐欺や偽投資を含むデジタル犯罪が急増しており、デジタル経済社会省と警察が共同で実施した最近の発表によると、オンライン犯罪に関する通報件数は1日あたり1000件を超え、被害額も日量1億バーツ以上に達しているとされる。政府は「詐欺撲滅」を国家アジェンダのひとつに位置付け、関係機関合同の集中取り締まりを展開しており、今回の摘発もその一環とみられる。

タイ警察は今後、押収した電子機器の解析を進め、国内外の共犯者や資金の流れを追及する方針。仮想通貨市場の拡大に伴い投資詐欺が巧妙化するなか、当局は市民に対し、「短期間で高い利益を約束する投資話には特に注意が必要であり、企業の実在性やライセンスの有無を必ず確認してほしい」として、冷静な対応を求めている。

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