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【環境】エナジー・アブソリュートがQ3で本業黒字回復、再エネ・商用EV・電池事業が持続的成長

再生可能エネルギー大手エナジー・アブソリュート(EA)が2025年7〜9月期に本業ベースの黒字を回復した。特別損益を除く純利益は7億3600万バーツと、前年同期比・前期比ともに2倍超の伸びとなり、売上高も37億400万バーツと前期比13%増加した。風力発電の発電量増加や、バイオディーゼル受託生産の拡大、商用EVの納車増など、主要事業がそろって持ち直したことが増益の背景にある。

風力・太陽光などの再エネ発電事業は売上の柱であるが、季節要因もあって風力発電量が特に伸びた。商用EV事業は路線バスや配送トラックの納車が進み、売上は前年同期比で3億バーツ超増加した。リチウムイオン電池と蓄電池システムは、前年の大型案件の反動で通期では減収だが、新規受注が徐々に積み上がっている。

EAは太陽光・風力発電、バイオディーゼル、EVバスとトラック、充電ステーション、電池事業を束ねる「統合クリーンエネルギー企業」として事業を拡大してきた。現在は、プーケットとパトゥムターニーでごみ発電と廃棄物処理プロジェクトを進めるほか、大型蓄電池(BESS)や約180メガワット規模の新規風力発電所の開発、EVバス「Bangkok E-Bus」による脱炭素型公共交通の普及に力を入れている。

同社は国内初の海外向けカーボンクレジット移転の実績を持ち、S&P GlobalのESG評価でも世界上位10%に入るなど、サステナビリティ企業としての評価も高い。再エネとEVを組み合わせた「エネルギー×モビリティ」の事業モデルが、タイのエネルギー転換と交通インフラの低炭素化を支える成長ドライバーとなるか、2026年以降の業績推移が注目される。

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