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【政治】1月末の下院解散方針を閣僚が再確認 内閣不信任案に備える与党の思惑と選挙戦略は?

パラドン首相府相はこのほど、「来年1月末までに下院を解散する」という政府方針を改めて確認し、解散総選挙に向けたスケジュールは変わっていないと強調した。あわせて、野党側が検討している内閣不信任案についても「政府側の準備は整っており、全閣僚が野党の質問に答える用意がある」と述べ、対決姿勢と自信の両方をにじませた。

アヌティン首相は就任以来、2026年3〜4月の総選挙実施を想定し、2026年1月末までに下院を解散する方針を繰り返し示してきた。閣僚の宣誓後に発表されたロードマップでも、政策方針演説から4カ月以内の解散と、その後45〜60日以内の投票実施を軸とするスケジュールが提示されている。

こうした中で浮上しているのが、野党による内閣不信任案提出の動きだ。パラドン首相府相は、不信任案が提出されるかどうかは現時点で不明としつつも、「たとえ審議が行われても、閣僚はそれぞれの政策と実績を丁寧に説明する準備ができている」と述べ、不信任案を逆に政権の実績をアピールする場として活用する構えも見せている。

一方、アヌティン首相自身は、政治的意図が強い不信任攻勢が続くようなら、予定より早期に下院を解散する可能性にも言及。首相は「誹謗中傷に終始する審議には付き合わない」と述べ、必要とあれば解散権を行使する意向を示唆しており、野党との駆け引きは今後一段と激しくなることになりそうだ。

2023年以降、タイ政治は連立再編と政権交代が相次ぎ、有権者の政治的関心は高い一方で、政党への信頼は揺らいでいるとされる。与党側は、2025年の経済成長率を3%台前半と見込む政府見通しや、観光回復による雇用の持ち直しなどを前面に出し、「安定した政権運営」を訴える方針。これに対し、野党側は、物価高や家計債務の増加、不平等是正の遅れを争点化し、政権批判を強める構えだ。

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