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【投資】チョンブリ県に国際スポーツハブ構想 EEC事務局が用地確保30万人の雇用創出

ピパット副首相兼運輸相は、東部経済回廊(EEC)内のチョンブリ県バンラムン郡に、国際大会を開催できる大規模スポーツコンプレックスを整備する構想を明らかにした。EEC事務局はまず1500ライ(約240ヘクタール)の用地を確保する計画で、スタジアムや競技場、宿泊施設、医療センターなどを集約した「世界水準のスポーツハブ」として開発する方針だ。

バンコクのラジャマンガラ競技場やスパチャラサイ競技場は、老朽化やアクセス面の制約から、アジア大会や世界選手権といった大型イベントには十分な対応ができない。ラジャマンガラ競技場の敷地はもともとチュラロンコン大学の管轄であり、近年は再開発圧力も高まっている。こうした事情もあり、政府内で新たな国際競技場候補地としてインフラが集中するEECに白羽の矢が立った。

ピパット副首相は、EEC事務局とスポーツ庁(SAT)に対し、3~4カ月で基本構想と事業性を検証する調査をまとめるよう指示。調査費用は約200万バーツを見込み、その結果を踏まえ2026年に閣議へ正式な投資案件として提案する。プロジェクトは「EECトラック」8年計画の一部と位置付けられており、2033年ごろの完成を目指す。

当初案の1500ライでは将来の拡張余地が限られるとの見方もあり、農地改革局(ALRO)の管理地も含めた追加確保が検討されている。新施設には、メインスタジアムに加え、室内競技アリーナ、トレーニングフィールド、選手村機能を持つ4~5つ星ホテル、スポーツ医学・リハビリテーションセンターなどが集中的に整備される予定だ。完成すれば、アジア大会クラスの総合大会やFIFA/FIBAレベルの世界大会の誘致も視野に入る。 政府は、この国際スポーツハブがEECへの追加投資を呼び込み、観光・サービス産業の高度化につながると期待。EECではすでにウタパオ空港拡張、高速鉄道3空港連結プロジェクト、物流拠点整備などが進んでおり、新たなスポーツコンプレックスはMICE(会議・展示会)やスポーツ観光を組み合わせた新産業の核になりうる。ピパット副首相は、建設・運営段階を通じて20万~30万人規模の雇用が生まれると見込んでいる。

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