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【IT】タイ個人情報保護委がWorldcoinに停止命令 虹彩データ120万人分の削除命令

タイ個人情報保護委員会(PDPC)は、眼球の虹彩をスキャンして暗号資産トークンと引き換える「Worldcoin」プロジェクトを展開するWorld社に対し、タイ国内でのスキャン行為の停止と、約120万人分の個人データ削除を命じた。個人情報保護法の原則に反する疑いがあるためだ。

Worldcoinは、AIの進展で「人間と機械の区別」が難しくなる中、ブロックチェーン技術を使って「人間であること」を証明する仕組みとして世界的に展開されてきた。専用端末で虹彩をスキャンし、「Iris Code」と呼ばれる識別コードを生成して本人の暗号資産ウォレットに紐づける方式で、すでに世界で2000万人以上が登録済みとされる。

World社はPDPCからの書簡を受け、タイにおける本人確認プロセスを一時停止すると表明。同社は、これまでタイの法律と規制を遵守しており、当局の審査にも協力してきたと主張しつつも、PDPCの命令に従う方針だ。ただ、同社はコメントの中で、この停止措置により、AIを悪用した詐欺や個人情報窃取から身を守るために技術を利用してきた多くのタイ人にとってマイナスの影響が出ると懸念を示す。その上で、「タイ国民にとってより安全なデジタル環境を構築するという理念は変わらないとし、今後もデジタル経済社会省(MDES)やPDPCなど関係当局と協議を続け、持続可能な運用方法を模索する」としている。

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