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【環境】アユタヤ県で違法操業のコンクリ工場を摘発 粉じん放出で操業停止命令・刑事処分へ

タイ工業省のイアソシン副大臣は、特別捜査局(DSI)とともにアユタヤ県ウタイ郡のコンクリート工場を抜き打ち調査し、違法操業の実態を確認した。工場は無許可で機械を増設し、廃棄物を不正に処理していたほか、粉じん除去設備が機能しておらず、PM2.5を含む粉じんが周辺住民に影響を与えていた。副大臣は「国民生活を脅かす無責任な事業者には断固対応する」と述べ、刑事処分を含む厳格な措置を指示した。

調査では、壊れたレンガや建設廃材を適切な処理手続きを経ずに工場外へ投棄していたことも判明。2023年以降、住民から悪臭と粉じん被害の訴えが増えており、工業省は現場の監視を強化していた。今回の措置は、工場法と工業製品基準法の双方に抵触する行為として扱われ、操業停止命令発出も検討されている。

タイでは大気汚染対策が急務となっており、政府は2024年に「PM2.5国家計画」を制定。工場、建設現場、農業焼却を重点監視対象とし、違反事業者には罰金・操業停止などの処分を強化している。アユタヤは工場集積地である一方、世界遺産を持つ観光都市でもあり、周辺環境の保全は重要課題となっている。

工業省は今後、改善状況の追跡を徹底し、期限までに是正が行われない場合は操業許可の取り消しも検討する方針。住民の健康影響を考慮し、環境省と連携した大気測定の強化や、産業廃棄物の追跡システム導入などの対策も進める方針だ。

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