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【社会】バンコク東部が狂犬病管理区域に指定 スワンナプーム空港・工業団地周辺で30日間の規制

バンコク都ラートクラバン区クローンサームプラウェート地区で狂犬病が確認され、同地区一帯が30日間の「狂犬病管理区域」に指定された。2025年11月27日付で、バンコク家畜開発事務所エリア3の獣医官が動物伝染病法(B.E.2558)第20条に基づき命令を発出した。管理期間は11月27日から12月26日まで。

管理区域は、北はミンブリー区セーンセーブ地区、南はサムットプラカン県バンプリー郡ラチャテワとバンサーオトーン郡シーサーチョラケーノイ、東はラートクラバン区タップヤオ、 西は同区クローンソントンヌーンおよびラートクラバン地区の境界までを含む。告示ではスワンナプーム空港や工業団地、物流施設が集積するエリアを広く網羅する半径5キロ圏内のコミュニティに警戒を呼びかけている。

具体的には、犬や動物の死骸を区域内で移動させたり、区域内外へ持ち出したりすることを、獣医の書面許可がない限り禁止する。また、動物が発病した場合には12時間以内に当局へ通報しなければならず、死亡した際も死骸をその場で保管し、同様に12時間以内の通報が義務づけられる。違反した場合、2年以下の禁錮または4万バーツ以下の罰金、あるいはその併科が科される可能性がある。

バンコク首都圏では2025年に入り、プラウェート区や隣接するサムットプラカン県で狂犬病の発生が相次ぎ、複数の地区で30日間の動物移動禁止措置が取られている。保健当局は、狂犬病は発症すれば致死率ほぼ100%の疾患であり、疑わしい犬や猫に咬まれた場合には、直ちに石けんと流水で傷口を十分に洗浄した上で、速やかに医療機関でワクチン接種を受けるよう繰り返し警告している。

今回の管理区域は、工業団地、倉庫、空港関連施設に勤務する多くの労働者や出張者の生活圏と重なる。日系企業にとっては、構内や通勤ルート上での野良犬・野良猫への接触を避けるよう従業員に周知するとともに、事業所敷地内への動物侵入を防ぐための柵やゲートの点検、咬傷事故発生時の連絡手順や最寄り病院の確認など、社内の安全管理体制を見直すことが必要だ。特に屋外作業や夜勤の多い物流・製造拠点では、現場レベルでのリスク認識を高めることが重要となる。

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