【政治】カンボジア、停戦受け入れ後も攻撃継続 タイは夜間外出禁止強化 戦闘は沿岸部にも拡大
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タイ国防省は12月14日、カンボジアが停戦に応じたと主張した後も国境で攻撃を継続していると発表し、国際法上の交戦規定に沿って報復措置を取ったと報告した。同省によると、13日午後10時から14日午前1時にかけてカンボジアの無人機がトラート県に侵入し、同4時15分にシーサケート県へロケット弾などで砲撃、5時15分には東北部と東部の国境全域で攻撃を再開した。国防省報道官は停戦していないと述べ、ASEAN議長国マレーシアのアンワル首相が提案した午後10時以降の停戦案に同意したとの報道を否定した。
海軍はトラート県の4郡で午後7時〜午前5時の外出禁止令を発令。東部サケオ県でも既に外出禁止令が敷かれている。陸軍は主要地点の掌握を維持し、ウボン県チョンアンマー、シーサケート県サムテー、スリン県の複数峠、サケーオ県バーンノンヤーケーオを確保したとしている。スリン県のプラサート・カナ遺跡では、カンボジア側が掘った塹壕を発見し、重大な違反と批判した。
陸軍はカンボジア側の損害を兵221人、拠点51カ所、BM-21多連装ロケット1基、戦車10両、装甲車9両、高射装置4基、迫撃砲7門、対ドローン施設5カ所、ドローン68機、通信塔3基と推計。越境された地域の回復と脅威無力化を発表。海軍は戦闘機の支援を受け、トラート県で違法占拠されたバーンチャムラク地区を奪回したとし、外出禁止は住民保護の措置だと説明した。
戦闘が沿岸部にも波及したことで、国境貿易、観光、港湾周辺の陸送に遅れが生じる恐れがある。日系企業は出張者の安全指針を更新し、国境向け出荷や部材調達の代替手段を確保すべきだ。
