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【政治】タイ・カンボジア国境で住民被害が拡大 カンボジア軍の民間攻撃でタイ外務省が国連に書簡

カンボジア側が民間地域への攻撃を繰り返し、タイ・カンボジア国境地帯の治安が急速に悪化しているとして、タイ陸軍がシーサケート県カンタララック郡への立ち入りを避けるよう住民に警告した。陸軍報道官代理のリチャ大佐は状況説明で、直近2日間に民間区域への攻撃が激しくなり、住民に死傷者が出たと報告。「民間人に恐怖を広げる戦術が止まる兆しはない」とし、同郡の住民に対して関係当局の指示を厳守するよう求めた。

タイ軍は今のところ陣地を死守しているが、カンボジア軍はBM-21多連装ロケットや自爆型ドローンを投入するなど攻撃の手を緩めない。タイ陸軍の発表によれば、これまでにカンボジア側拠点・作戦地点約82カ所、BM-21 1基、戦車12両、装甲車10両、防空4基、砲迫7基、対ドローン拠点5カ所、ドローン約175機、通信塔5基を破壊。カンボジア兵士505人が死亡したとしている。また、タイの軍事行動を「主権侵害と先行攻撃への対応」と位置付ける。

タイ外務省のニコンデート報道官は、民間人への攻撃を巡り国連人権高等弁務官に書簡を送り、問題提起したと明らかにした。政府公式サイトも12月13日、同郡サオトーンチャイ地区でBM-21弾が避難壕の前に着弾し、警報を聞いて退避していた民間人4人が負傷、うち2人が重傷で県内の病院へ搬送されたと発表。国境周辺では警報に伴う避難が繰り返されており、現地に拠点を持つ企業は従業員の移動制限、緊急連絡網、輸送経路や在庫の代替計画など安全対策の再点検を急ぐ。出張者は当局の避難・交通規制情報を随時確認し、不要不急の国境訪問を避ける必要がある。

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