【政治】タイ総選挙2026、家計債務増大と低成長下で経済政策の分岐点に
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- 家計債務増大と低成長が重なる中で行われる今回の総選挙は、経済運営の分岐点と位置付けられている
- 人民党は消費刺激と賃金引き上げ、電力改革を柱に短期と長期の両立を図る構え
- タイ貢献党は迅速な資金注入と家計債務整理、電力料金引き下げを前面に出す
- タイ威信党は既存政策の拡充で成長率3%と投資拡大を目標に掲げる
日本と同様、2026年2月8日に実施されるタイ総選挙は、同国経済の転換点になるとの見方が強まっている。家計債務の急増、消費購買力の低下、実質GDP成長率が危機期を除けば過去30年で最低水準に落ち込む中、新政権には短期の生活費対策と中長期の成長戦略の両立が求められている。政府債務もGDP比で約70%の「設定上限」に近づいており、財政運営の制約は大きい。
有力政党として注目されるのは、人民党、タイ貢献党、タイ威信党の3党である。人民党は就任後100日以内に官民共同負担策や中小小売向け消費刺激策を打ち出すとともに、中小企業向け融資として総額2500億バーツを想定する。最低賃金は即時に1日350〜420バーツへ引き上げ、生活費に連動して毎年調整する。長期計画では10年間で4000〜5¥000億バーツを投じ、スマートグリッドや電力メーターのデジタル化を進め、電力コストを約10%引き下げる構想を示す。
タイ貢献党は迅速な資金注入を重視し、政府70%、国民30%負担の消費刺激策や、付加価値税登録店舗のレシートを活用した抽選制度を導入する。無担保の不良家計債務については、最大20万バーツまで元本の10%支払いで整理する案を提示し、電力料金は1単位3.70バーツへの引き下げを目標とする。
タイ威信党は既存施策の拡充を軸に、生活費支援と債務猶予を組み合わせた短期策を掲げる。電力料金は月200単位まで3バーツ以下とし、4年以内に投資比率をGDP比30%へ高め、EVやデータセンター、AI分野への投資誘致を進める方針だ。
