【経済】中東危機長期化による原油高 タイ銀行が中小企業の不良債権増に警戒強める
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中東情勢の緊張が続き原油相場が上ぶれする中、タイの銀行が与信悪化に神経をとがらせている。燃費高は輸送費や電気代を押し上げ、家計の可処分所得を削る。結果として返済余力が落ち、企業・個人の延滞につながりかねない。
TMB タナチャート銀行は現時点で目立つ劣化は見えないとしつつも、長期化すれば影響は避け難いとの見方を示す。その結果として、自動車ローンはEV志向が強まり、住宅ローンは低調が続く可能性があるという。
現在、銀行は投資や経費の見直しを進め、原油高やインフレ、供給網の混乱を想定したストレステストを重ねる。TISCO銀行も新規不良化の急増はまだ限定的とみるが、成長率の下振れを織り込み引当を厚くする方針だ。バンコック銀行は不確実性の高まりを背景に、取引先の運転資金や事業転換を手厚く支える。
一方、当局公表では25年10〜12月の銀行部門NPL比率は2.84%と低下したものの、景気の弱さで融資残高は伸び悩む。カシコン・リサーチは26年のNPL比率が2.80〜2.97%で高止まりしていることを背景に、融資は前年比マイナス0.7%と慎重姿勢が続くとみる。とりわけ観光、輸送、エネルギー関連の中小企業はコスト高の直撃を受けやすく、銀行の慎重姿勢は当面続きそうである。
