【経済】 JSCCIBが成長率見通しを1.2〜1.6%へ再下方修正、スタグフレーション進行を警告
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タイの経済三団体が参加する商工金融常設委員会(JSCCIB)は4月1日の会合で、2026年のタイ実質GDP成長率の見通しを従来の1.6〜2.0%から1.2〜1.6%へと引き下げた。JSCCIB委員長でタイ工業連盟会長のクリエンクライ氏は、中東の長期化する紛争が世界経済の減速リスクを加速させており、スタグフレーション(高インフレと景気停滞が同時進行する状態)に近づきつつあると警告している。
インフレ見通しも大幅に修正された。今年の消費者物価上昇率の予測は従来の0.2〜0.7%から2.0〜3.0%へと急騰。ディーゼル価格が前月比で約69%上昇したことが主因となった。輸出見通しはマイナス0.5〜マイナス1.5%のまま据え置かれ、観光分野でも今後3カ月間で外国人訪問客が約100万人減少すると見込む。
クリエンクライ氏はタイ政府に対し、燃料への消費税減税や石油補助金基金への借入保証など緊急措置を講じるよう要望。さらに中長期的な課題として、中東産輸入燃料への依存脱却、再生可能エネルギーの促進、2026年版電力開発計画(PDP2026)の着実な実行を挙げる。同計画は電力料金の透明化、電力市場の自由化、温室効果ガス削減目標との連動を柱としており、外資誘致への信頼性確保にも直結するとした。
タイの2025年の経済成長率は2.4%だったが、2026年はASEANで最低水準となる見通しだ。世界銀行もアジア太平洋地域の経済見通しを発表し、タイの成長率を1.3%へと引き下げるとともに、エネルギー輸入依存度の高さを最大のリスク要因と指摘している。日系企業にとっては設備投資計画の慎重な再点検が求められる局面だ。
