【経済】タイ中銀が2026年成長率を1.3%に下方修正 「リスク深刻度に上限なし」
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タイ中央銀行(BOT)は2026年の実質GDP成長率見通しを1.3%に下方修正した。これは中東紛争が今年後半までに収束した場合の想定値として、チャヤワディBOT副総裁がIMF・世銀春季会議の場でロイター通信に語ったもの。さらに、「最悪のシナリオに限界はない。それほど深刻だ」と警告した。
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エネルギー輸入依存が経済の急所に
タイは一次エネルギーの大部分を輸入に頼っており、中東情勢の曝露度は世界でも屈指の高さとされる。ホルムズ海峡の閉鎖・不安定化で輸入コストが急騰し、観光客の減少とともに経常収支を圧迫している。当初120億米ドル程度の黒字が見込まれていた経常収支も赤字に転落する可能性が排除できないとチャヤワディ副総裁は言及した。
また、湾岸諸国からの観光客は3月に事実上ゼロになり、タイの観光消費の7%を占める富裕層の訪問が激減。マレーシアからの陸路旅行者も燃料費高騰から大幅に減少している。
利上げに慎重姿勢 資本フローは安定化
BOTは利上げについて慎重なスタンスを崩しておらず、インフレが1年以上持続する場合を除き検討しない姿勢だ。2〜3月に急増したタイ株・債券からの資本流出は、4月に入って回復に転じたという。10月にバンコクで開催されるIMF・世銀年次総会で、国際社会がタイを含むアジア経済の底力をじかに見る機会になると副総裁は期待を示す。タイ経済の下振れリスクを的確に把握することは、投資計画やサプライチェーン戦略の見直しを迫られる日系企業にとって急務となっている。
