【貿易】ランドブリッジ計画が内閣承認へ 2026年着工でタイの物流地図は一変するか
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タイ政府が国家プロジェクトとして推進するランドブリッジ計画が大きな節目を迎えた。南部チュムポン県とラノン県を鉄道と高速道路で結び、タイランド湾とアンダマン海を直結するこの巨大構想は、近く内閣承認を得る見通しだ。総事業費は1兆バーツ規模に達し、完成すればマラッカ海峡を迂回する新たな国際物流ルートが誕生する。
現在の海上輸送はマラッカ海峡に過度に依存しており、海賊被害や航路の混雑が長年の懸念事項だった。ランドブリッジが稼働すれば輸送期間を数日間短縮できるだけでなく、シンガポールを経由しない独自のハブ機能をタイが保有することになる。
すでに中東や中国の資本を中心に世界各国の投資家から高い関心が寄せられており、政府は2026年中の着工を目指して港湾施設の整備から着手する計画だ。東部経済回廊(EEC)に続くタイの次なる経済成長のエンジンとしての役割を期待されている。
タイに製造拠点を置く日系企業にとって、このプロジェクトは物流の選択肢を広げる好機となる。しかし、その一方で環境破壊への懸念や現地住民の反対運動、莫大な投資資金の回収見込み、近隣諸国との競争激化といった課題も山積。インフラ整備に伴う周辺地域の開発や新たなサプライチェーンの構築を見据えた長期的な視点での準備が求められる。
