【不動産】タイEEC不動産が「投資頼み」から「実需主導」へ 工場従業員が市場を牽引
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タイ東部経済回廊(EEC)の不動産市場が構造的な転換期を迎えている。不動産調査会社LWSウィズダム・アンド・ソリューションズの分析によれば、かつては政府の政策投資や大型インフラ整備に支えられていたEECエリアの住宅需要が、今や産業従事者の「実需」によって動かされるようになった。
EECは製造業の集積地として国策主導で整備が進んだ地域であり、特にアマタシティ・チョンブリには20万人超の就業者が在籍する。今では現地で働くエンジニア、生産管理者、外国人技術者が長期にわたって居住するケースが増えており、住宅需要の底支えとなっている。そして、注目すべきはその安定性だ。エリア全体のコンドミニアム累積供給戸数は1万5000戸超で、賃料稼働率が90%を超える物件も複数存在し、賃料利回りは年5〜7%と中長期投資として魅力的な水準を保っている。需要の中心は200万バーツ未満の手頃な価格帯の住戸で、過度な財務負担を避けつつ職場に近い住環境を求める現場職員や管理監督者層が購入・賃借の中心となっている。
LWSは、シフト勤務や不規則な帰宅時間に対応した自動宅配ロッカーや高水準のセキュリティシステム、コワーキングスペースや洗濯施設といった実用的な共用設備が入居者満足度と長期稼働率を左右すると指摘する。日系メーカーが工場をEECに置く場合、従業員向け住宅の確保は採用・定着に直結する課題だ。立地企業の人事・総務担当者にとっては、2000万バーツ以下の分譲・賃貸物件の供給動向と賃料水準を定期的に把握しておくことも実務上有益となろう。
