【商業】タイとEUが「未来志向のパートナーシップ」宣言 貿易・技術協力強化で合意
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タイと欧州連合(EU)は4月30日、バンコクで開催されたタイ・欧州ビジネス協会(TEBA)主催のレセプションで、両者の戦略的パートナーシップを新たな段階へ引き上げる考えを明らかにした。シハサック副首相兼外務相をはじめ、エネルギー相、高等教育・科学・研究・イノベーション副大臣、EU大使ルイサ・ラゲルらが出席し、貿易・技術・「科学外交」を軸とした協力強化で合意した。
席上、シハサック副首相は率直な自己評価を披露。かつてASEANのトップ層に位置していたタイが、今や「レーダーから消えてしまった」と認め、政治的不安定と政権交代の頻繁な繰り返しが政策の継続性を損ない、構造改革を遅らせた結果だと分析した。ただ、現政権のもとで政治的安定が戻りつつあり、回復の条件は整いつつあると前向きな見通しも示した。
目次
EUが重視する3分野
EU大使は協力を優先する3分野として、サプライチェーンの強靱化、グリーン移行の推進、デジタルトランスフォーメーションを挙げた。タイ・EU間の自由貿易協定(FTA)交渉は「変革的な」合意を目指す段階にあり、両者にとって関係の潜在力を解放する中核的な取り組みと位置づけられている。
TEBAのピエール会長は「かつての世界秩序はもはや存在しない。変化ではなく、消滅だ」と述べ、こうした激変期においてこそ信頼性の高いパートナーシップの価値が増すと強調した。
在タイ日系企業にとり、EU・タイFTA交渉は欧州向け輸出ルールや関税に影響を与えうる重要な動きだ。また、サプライチェーン強靱化の議論が進む背景には、欧州市場での域内調達規制の厳格化がある。タイを生産拠点とする日系製造業は、欧州輸出品の原産地規制や環境基準の変化に備えた対応を求められる。
