【経済】4月のタイ産業景況感が再び低下 中東紛争による原油高と原材料コスト上昇が直撃
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タイ工業連盟(FTI)が5月21日に発表した産業景況感指数(TISI)は、2026年4月に85.3ポイントへ低下した。前月3月の88.6ポイントからさらに悪化しており、米国とイスラエルによるイラン攻撃を発端とした中東紛争の長期化が、製造業全体の心理を圧迫している。TISIが100ポイントを下回ると製造業者が「悲観的」とされる中、85ポイント台への落ち込みは2026年に入って最も低い水準だ。
ピムジャイFTI会長は、指数が低下した主因として原油・原材料価格の急騰と政府の予算執行の遅れを挙げる。4月の原油価格は1バレル120ドルまで上昇し、国内のディーゼル価格は1リットル45.32バーツへと前月比33.2%急騰した。プラスチック樹脂や包装材、建設資材などの原材料コストも軒並み上昇しており、製造業者の収益を直撃。物流コストの増加も加わり、工場運営の採算は急速に悪化しつつある。国内外の需要回復の見通しが立たない中、多くの製造業者が先行きに強い懸念を抱いている状況だ。
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観光の底堅さが唯一の明るい材料
一方で、4月の観光業が比較的底堅く推移した点は、景況感を支える要因となった。ワット・ポーなど主要観光地への外国人来訪は引き続き活発で、飲食・サービス業の収益を下支えしている。ただし航空燃料の高騰を受けてタイ・エアアジアなどLCCが路線削減を進めており、中長期的な観光客数への影響は避けられない見通しだ。FTIによると、製造業者が懸念する項目の筆頭に挙げられるのは中東情勢の長期化であり、これがエネルギー・原材料コストを通じて全産業に波及している。
