【運輸】AOTが国際線旅客料金を53%引き上げへ 格安航空大手が延期求める
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国営空港運営会社であるタイ空港公社(AOT)は、国際線の旅客サービス料(PSC)を現行の730バーツから1120バーツへと53%引き上げる方針を正式に決定し、2026年6月20日から実施する。対象はスワンナプーム、ドンムアン、チェンマイ、チェンライ(メーファールアン)、プーケット、ハートヤイの6空港を利用するタイ人・外国人を問わず全旅客で、1人当たり390バーツの負担増となる。AOTは増収分を2060年までの長期インフラ整備に充てると説明している。なお、このPSCは通常航空運賃に含まれており、旅客が空港で別途支払う性質のものではない。
これに対し、マレーシア格安航空会社(LCC)大手キャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者は5月21日、1年間の実施延期と、LCCと大手航空会社を区別する段階的な料金体系の導入を求めた。中東紛争の影響でジェット燃料価格が紛争前の約85ドルから最高240ドル(1バレル)まで急騰しており、PSCの引き上げと重なることで旅行コストが急増し、価格に敏感なバジェット旅行者がタイを避けて他国を選ぶ恐れがあるとの懸念を示す。
燃料高と重なり航空業界に深刻な打撃
タイ・エアアジアはすでに5〜6月の運航便数を約30%削減しており、インドや中東向け路線を中心に一時運休が相次いでいる。空港使用料の大幅引き上げはこれに追い打ちをかける形だ。AOT総裁は料金改定は通常の航空運賃に含まれており実質負担は限定的だと説明するが、業界からの反発は強い。なお、財務省が別途検討しているタイ人向けの海外渡航税(1000バーツ)は、今回のPSC引き上げとは別の話で、現時点では未確定。
