【政治】アヌティン首相が対米関税交渉を加速指示 7月24日期限を前に焦り
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アヌティン首相は6月2日の閣議で、商務省をはじめとする関係機関に対し、米国との関税交渉を7月24日の期限が到来する前に妥結させるよう緊急指示した。ラチャダー政府報道官が記者会見で明らかにした。
今回の指示の背景にあるのは、米国がASEAN諸国を含む欧州連合(EU)、日本、韓国などと次々に関税合意を達成しつつある現状だ。こうした国々が優遇税率を確保するなか、タイが交渉を先延ばしにすれば輸出競争力で致命的な不利を被りかねないとの危機感が政府内で強まっている。交渉の陣頭指揮はスパジー副首相兼商務相が担い、5月20日には関係省庁幹部による対米通商戦略ワーキンググループの会合を主宰した。米国はトランプ大統領が最高裁の判断で「相互関税」の根拠法令を否定された後、1974年通商法第122条に基づく15%の輸入関税を暫定的に適用している。この暫定措置が7月24日前後に期限を迎えるとみられ、その後の税率水準がタイの輸出産業全体に直撃する。
タイの対米輸出額は2024年に633億ドル(約2兆バーツ)に達し、米国はタイにとって中国に次ぐ第2位の貿易相手国に当たる。さらに米国はタイに対しセクション301調査(不公正貿易慣行の調査)も進めており、5月13〜14日にはタイ代表団が対米通商代表部(USTR)に説明に出向いたばかりだ。合意内容には原産地規則(ROC)や地域含有価値(RVC)の取り扱いが含まれ、自動車部品・電子機器・食品など幅広い輸出品目のサプライチェーンに直接影響する。
