【食品】エビ禁輸で窮地のタイ 日本・EU市場向け高付加価値輸出への転換を急ぐ
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マレーシアが6月1日から、タイ産エビ5種の輸入を停止した。対象はブラウンタイガープロウン、バナナプロウン、バナメイエビ、ブラックタイガーエビ、ブルーエビの5種で、月間300〜400トン、金額にして約4400万バーツ(約2億20000万円)の輸出が突然失われることになった。
この措置は「報復的な貿易制限」との性格が強い。タイが先にマレーシア産スズキ(シーバス)から抗生物質などの残留物質を検出し、輸入に証明書提出を義務づけたことへの対抗措置とみられている。タイ商務省は、緊急13項目の対策を打ち出し、月間約400トン分の代替市場の開拓を急ぐ。
国際経済・ASEAN問題の専門家アット・ピサルワニット氏は、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きへの申し立てを支持しつつも、「手続きは1年以上かかる」として、並行して高付加価値市場への輸出転換を急ぐよう求めた。ターゲット市場として、強い購買力を持つ日本・EU・米国のプレミアム市場、成長著しい中国、そしてASEAN諸国を挙げている。
タイ産エビはかつて世界最大の輸出産品の一つだったが、病害や過剰生産によりベトナム・インドに主役の座を奪われた。アット氏は「もはや価格競争では勝てない。品質とトレーサビリティ(産地追跡の透明性)を武器にした高品質市場への転換が不可欠だ」と強調。欧米バイヤーが重視する産地証明や衛生管理の強化が急務だと指摘した。スパジー商務相は、WTOおよびASEANの場でも問題を提起する意向を示しており、外交・貿易両面での解決に向けた動きが本格化している。
