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【経済】タイ家計債務13.6兆バーツ 小口融資の質的悪化が深刻化

タイのナショナル・クレジット・ビューロー(NCB)は6月30日、タイの家計債務が新たな局面に入りつつあるとの分析結果を発表した。同社のラックサモン最高経営責任者(CEO)によれば、家計債務の総額はおよそ13.6兆バーツで、ここ1〜2年は大きく増加していない。GDPに対する家計債務の比率もやや低下傾向にあるという。

しかし同氏は、債務の「量」よりも「質」の悪化こそが深刻な問題だと指摘する。とりわけ警戒が必要なのは、支払いが90日以上滞った不良債権(NPL)の動向という。2026年第1四半期のNPL比率は約9.3%となり、前年末からは低下したものの、引き続き注視が必要な水準にある。さらに、債務の条件変更(リスケジュール)の比率は10%を超えており、リスケジュール後に再びNPL化する債権が出てくる懸念もくすぶる。

NCBが特に注目するのは、債務口座数の急増だ。13.6兆バーツの債務残高に対し、ローン口座数は9870万件にのぼり、1人当たり平均4件の債務口座を抱える計算となる。自動車ローンなど大口融資では審査が厳格化して残高が減少する一方、個人向けローンやナノファイナンス(少額無担保融資)といった小口融資が拡大している。携帯電話や家電製品の分割払いでは、延滞率が約20%に達するなど、小口債務の返済遅延が顕著という。

家計債務の質的悪化は、個人消費の先行きに直結する問題であり、日系の小売・サービス業にとっても与信管理や販売戦略の見直しを迫られる材料となりうる。

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