【社会】タイ福祉カード再審査 対象者1880万人中950万人のみ合格し波紋広がる
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タイ政府による福祉カード制度の対象者再審査を巡り、支援を必要とする低所得層が制度から漏れているとの声が相次いでいる。ナコンサワン県やナコンラチャシマ県の住民らは、収入や資産の証明が難しく、審査に何度も落ちた経緯を訴えている。57歳のソムヌックさんは、5回目の申請でようやくカードを取得できたが、こうした幸運に恵まれない人も多い。
福祉カードは、低所得者向けの現金給付や公共交通の割引などを受けられる制度で、2017年10月の開始以来、約1320万人が受給してきた。アヌティン政権は今回、「貧困を装う人」をふるい落とすとして、全受給者を対象に再審査を実施。これまでに約600万人が対象外と判定される一方、950万人が合格したと発表されている。
財務省によると、今回の登録には1880万人が申請し、合格は950万人にとどまった。従来の1320万人から大幅に減少した形だ。不合格の主な理由は車両保有基準を超えたケースで約145万人、負債残高が10万バーツを超えるケースが約67万人に上るという。財務省のウィニット報道官は、車両登録名義の変更漏れなど記録上の不整合が背景にあると説明し、申請者に情報更新を呼びかけている。
不合格となった申請者のうち約276万人がすでに再審査を申し立てており、残る655万人も7月31日まで申し立てが可能だ。財務省は今週、資格を得られなかった600万人を新たな共同負担制度へ移行させる案を閣議に諮る方針も明らかにした。
福祉予算は今年度、従来の500億バーツ超から420億バーツへ削減されており、野党側は受給者数の縮小を狙った制度設計だったと批判。福祉政策の混乱は、タイの低所得者向け消費市場の動向を見る上でも参考材料の一つとなりそうだ。
