【物流】タイ郵便公社、創立144周年でライフスタイル物流ブランドへの転換発表

タイ郵便公社(タイランド・ポスト)は、デジタル経済を支える物流インフラの一翼を担う存在への転換を目指し、新たな企業戦略「リレーションシフト」を発表した。これは、従来の郵便事業者から、人・企業・地域社会・行政をつなぐ「ライフスタイル物流ブランド」への脱皮を目標とするものだ。
発表は同社の創立144周年にあわせて行われた。ここで、2026年上半期も増収が続いていることを報告。2025年の総収入は220億バーツに達しており、主力サービスであるEMS(国際スピード郵便)は同年に95.7億バーツを稼ぎ出した。また、2026年上半期のEMS収入は前年同期比2.98%増、荷物の取扱量も1.9%増加しており、通年では100億バーツを超える見通しだという。
同社は今回の戦略転換について、荷物量の拡大だけに頼る成長から、顧客データや戦略的提携を生かした付加価値重視の成長へ軸足を移す取り組みだと説明する。単なる荷物の運び手にとどまらず、金融サービスや電子申請の窓口機能なども視野に入れているという。
タイでは近年、EC市場の拡大に伴って宅配便事業者間の競争が激しさを増している。国営企業であるタイ郵便公社の戦略転換は、民間の物流大手や海外勢の動向にも影響を与える可能性がある。また、郵便事業という枠組みを超え、地域の中小事業者向けの物流支援やデータ活用サービスへ事業領域を広げる狙いもうかがえる。国営企業として全国に張り巡らせた配送網を持つ強みを、ECの成長やデジタル公共サービスの整備にどう結び付けるかが今後の焦点となりそうだ。
地方の中小企業や農家にとっても、集荷から配送までを一括で担う仕組みが整えば、販路拡大の後押しになると期待されている。タイでEC事業や越境物流を手がける日系企業にとっても、配送網や料金体系、提携先の変化を占う材料として注目される動きだ。
