【デジタル】タイのデジタル経済、国内GDP成長率の2倍の伸び 5.6兆バーツへ

タイのデジタル経済が、国内総生産(GDP)全体を大きく上回るペースで拡大している。タイ国家デジタル経済社会委員会(BDE)によると、2026年のデジタルGDPは前年比4.2%増の5兆6000億バーツに達する見通しだ。財務省が見込む同年の国内GDP成長率2.0%の、およそ2倍の伸び率にあたる。
成長を牽引しているのは、電子機器需要の回復と、人工知能(AI)対応パソコンやスマート機器の需要拡大である。デジタル分野への投資は2026年に3.0%増加する見込みで、なかでも民間投資は6.2%増と伸びが大きい。クラウドサービスやデータセンターへの海外直接投資(FDI)が押し上げ要因になっているという。一方、財政予算の承認遅れを背景に、政府部門の投資は1.6%減少すると見込まれている。
デジタル関連の輸出は4.5%増を見込むものの、2025年の24.9%増から大きく鈍化する見通しだ。世界的な需要一巡や貿易摩擦の影響がこの背景にあるとみられる。BDEのウェタン事務局長は、世界経済の逆風にもかかわらず、デジタル分野はタイ経済の主要な成長エンジンであり続けると述べた。
タイ投資委員会(BOI)によると、2026年上半期の投資申請額は前年同期比37%増の1兆3100億バーツに達し、うちデータセンター関連が投資額の大半を占める。承認済みプロジェクトは8万2000人超の雇用創出効果が見込まれている。世界銀行の推計では、タイのデジタル経済はGDPの約6%を占め、ASEANではインドネシアに次ぐ規模とされる。 データセンターやクラウド関連の投資を検討する日系企業にとっては、電力・用地確保の競争が一段と激しくなる可能性がある。政府予算の承認遅れが公共投資や許認可手続きの進行に与える影響についても、引き続き注視する必要がありそうだ。
