【貿易】タイ副首相兼商務相が3つのレッドライン堅持で訪米 対米交渉妥結目指す
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タイのスパジー副首相兼商務相は、対米通商協定(ART)交渉をめぐり、3つの譲れない条件(レッドライン)を維持して訪米する。3つのレッドラインとは、第一に成長促進剤(ラクトパミン等)を投与した豚肉の輸入受け入れ拒否、第二に国家安全保障の確保、第三に通信など機微な産業分野で米国が求める100%出資への抵抗――である。
タイはまず技術協議団を8月27日から29日まで米国に派遣し、続いてスパジー氏自身が政策レベル協議のため8月30日から9月1日にかけて訪米する日程を組んでいる。現在12.5%となっている対米関税を、マレーシアなど周辺国並みの10%まで引き下げることが最大の焦点だ。同氏はかねて、関税だけでなく民間投資など幅広いテーマを交渉に盛り込む必要があると述べていた。
スパジー氏はART交渉の早期妥結を目指す一方、米国が別途進める通商法301条に基づく調査を交渉圧力に使う可能性に警戒感を示す。同調査は自動車・同部品、ゴム製品、機械の3業種における過剰生産能力やその関連政策を対象としており、一部の周辺国はすでに米国側の条件をのんでいる。ART交渉が決着しなければ、タイ製品に19.5%を超える関税が課される恐れがある。これは確定した関税率ではないものの、他国が優遇税率を受ければタイの輸出競争力が損なわれかねないとの懸念を示す。 タイ側は7つの品目群にまたがる78の関税品目について、301条調査に関連する措置からの除外を米国に求め続ける方針だ。米国は長年タイにとって最大級の輸出先国であり、両国の貿易関係は190年を超える歴史を持つ。日系企業のサプライチェーンにとっても、対米輸出に絡む関税率の行方は投資計画や生産拠点の選定に直結する重要な論点であり、9月上旬までの交渉結果を注視したい。
