【IT】タイビッグデータ研究所が指摘 「AI活用を使えるだけでは不十分」

タイのデジタル経済社会省傘下の政府系機関、ビッグデータ研究所(BDI)は8月25日、AIを前提に経営を組み立てる「AIファースト」の時代に必要なのは、単に「AIを使える」ことではないとの考えを示した。あわせて官民のリーダー育成講座「LEADネクスト」の第1期修了式を開いたことを発表した。
BDIによると、多くのタイ企業ではすでにAIを導入しているものの、その活用は定型業務の効率化など基礎的な範囲にとどまっている場合が多いという。データやAIを経営判断そのものに組み込み、新しい価値を生み出す段階まで進んでいる組織はまだ少ないとの認識だ。データを持っているだけでは意味がなく、それを読み解き、意思決定に生かせる人材こそが今後の組織に欠かせないという見方を示している。
こうした課題を踏まえ、BDIは官民の中堅・若手幹部を対象に、ビッグデータとAIを実践的に学ぶ講座「LEADネクスト」を開講した。第1期では官庁と民間企業からあわせて50人以上が参加し、実際の業務課題を題材にした演習を通じて、データ分析やAI活用の手法を学んだ。あわせて、データを扱う際の責任あるルールづくりや、組織内にデータ重視の文化を根づかせる考え方も学習の柱に据えられている。修了生は今後、それぞれの組織に戻り、学んだ手法を実務に応用していくことが期待されている。BDIは今後も同様の講座を続け、官民を横断するAI人材のネットワークをさらに広げていく方針だという。
タイに拠点を置く日系企業にとっても、現地スタッフのAI・データ活用力は今後の競争力を左右する要素になりつつある。タイ政府がAI人材の育成に本腰を入れ始めている流れは、現地採用や社員研修のあり方を見直すうえで、参考にできる材料の一つになる。こうした官民ネットワーク出身の人材と、どう協業するかも視野に入れておきたい。
