タイ財務省は9月中に、自動車への物品税を三段階に分ける新しい仕組みを閣議に提出する方針だ。これは、現地生産や部品の現地調達をどれだけ進めているかで、税率に差をつけるというもの。
タイは近年、電気自動車(EV)普及のため購入補助金を出す制度を続けてきた。2022年からのEV普及策「EV3.0」は1台あたり最大15万バーツを補助し、登録台数を大きく伸ばした。このEV3.0は2026年1月末で受付を終え、その後、新普及策「EV3.5」に引き継がれたが、補助額はやや縮小し、電池容量50kWh以上の車で5万から10万バーツとなった。また、電気自動車の物品税も、それまでの8%から2%に落ちている。
今回の三段階課税は、この流れをさらに進めるものだ。タイに工場を持ち、部品メーカーとの取引が長い日系メーカーには、有利に働く可能性が高い。日系が得意とするハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)は、最も優遇される区分に入る見通しだ。三菱やいすゞ、ホンダ、マツダなど日系各社は、既に50億バーツを超える投資を続けている。
一方で、現地調達率の計算方法が厳しくなる可能性も指摘されている。エンジンやモーター、駆動系部品の調達や、タイ国内での研究開発をどれだけ行っているかが重視される見通しだ。組み立てだけを現地で行い、部品の大半を輸入に頼るケースは下位の区分に入るものとみられる。
なお、税率の詳しい数字はまだ固まっておらず、今後の閣議での議論を経て正式に決定する。業界団体からは、完成車輸入への課税を32%以上にすべきだという声や、現地調達率を80%以上にすべきだという提案も出ている。タイ国内で車を作るのか、輸入して売るだけなのか。今回の税制改革は、その違いを税負担の差としてはっきり示す仕組みになりそうだ。




