【エネルギー】民間発電所との売電契約見直し難航 合意事業者は3% 政府は解除も示唆

タイ政府は、民間の発電事業者と結んでいる電力買い取り契約の見直しを急いでいる。ところが、条件の変更に応じた事業者は全体のわずか2〜3%に留まることが分かった。見直しの対象となる契約は400〜500件余りにのぼる。
パコーン副首相は10月5日、この問題を話し合う委員会を開いた。対象は、小規模発電事業者(SPP)や超小規模発電事業者(VSPP)のうち、「ノンファーム型」と呼ばれる契約。発電量を保証しない代わりに、期限が来ると自動的に更新される仕組みを持つ。
国家経済社会開発委員会(NESDC)のダヌチャー事務局長によると、事業者が応じない最大の理由は買い取り価格だ。現在の価格は、燃料費調整分(Ft)を含めて1単位3バーツ台。政府はこれを2.15バーツまで引き下げる案を示したが、受け入れる事業者は少なかった。
ダヌチャー氏は、既存の契約に上乗せされている優遇価格(アダー)を一律に打ち切るつもりはないと説明。見直すのは、長く契約を続け、投資額をすでに回収して利益を得た事業者が中心だとしている。
委員会はその後、エネルギー政策計画局(EPPO)に新しい買い取り価格の計算をやり直すよう指示。現在の価格は1単位約6バーツだった2022年の水準を基にしているため、段階的に下げていく方式を検討する。事業者にとって妥当な利益は確保する考えだ。期限が近い契約の延長期間も、個別に判断する。
今後、EPPOは新しい標準契約書と価格、交渉条件をまとめ、国家エネルギー政策委員会(NEPC)に提出。承認後も事業者が交渉を拒めば、政府は契約の条項に基づき解除に踏み切る方針だ。
タイの電気料金は、周辺国と比べて高いとの不満が企業から出ている。見直しが進めば料金引き下げにつながる一方、太陽光などで発電事業を手がける日系企業には収益が減るおそれもある。
