【IT】ガルフ、労働力不足にAIで対応を データセンター規制の緩和を政府に訴え

タイのエネルギー大手ガルフ・デベロップメントのスミット・パノムヨン最高戦略責任者は、地元経済紙クルンテープ・トゥラキット主催のフォーラム「タイ経済展望2027」で講演。高齢化で働き手が減るなか、AIで生産性を高めるため経済構造を改めるよう政府に求めた。
同氏は、タイの人口が2年連続で減り、本格的な高齢社会に入ったと指摘。農業から工業へ労働者を移す、信用を広げて消費を増やすといった、これまでの成長の仕組みはもう通用しないという。代わりに示したのが「働き手の数×1人あたりの生産性」という考え方だ。働き手が10人から5人に減っても、AIで生産性を2.5〜3.5倍に高めれば、経済はプラス成長に戻せると説明した。2週間かかるデータ分析が約2分で終わる例も挙げた。
そのためには、AIを使うだけでなく、エネルギー、データセンター、GPU(AIの計算に使う高性能半導体)、AIモデル、アプリケーションという5つの段階すべてをタイに呼び込むべきだと主張する。中でもデータセンターは、ソフトウェア開発など高度な仕事を生む「最初の道路」にあたるとした。
そのため同氏は、データセンターへの規制を必要以上に厳しくしないよう訴えた。タイの事情に合わない海外の事例を理由に条件を厳しくすれば、資金と技術はマレーシアやインドネシア、ベトナム、インドなどに流れると警告。所得水準が欧州の半分に満たないタイが、今の段階で欧州並みの基準を採るのは早すぎるとの考えも示した。
このほか、エネルギー補助金の見直しにも言及。軽油価格の一律の据え置きは、主に所得の高い運転者が恩恵を受けており、電気自動車(EV)や屋根置き太陽光への移行を遅らせると批判。ビッグデータを使い、本当に支援が必要な低所得層に絞って給付すべきだと提言した。人手不足に悩む日系工場でも、自動化やAI活用の重要性は一段と増しそうだ。
