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【経済】タイの家計の不良債権比率が9.8%に SME の再編後の再不良化に警戒

タイの国家信用情報公社(NCB)のラクスモン社長は2026年10月19日、タイの家計債務のうち90日超の延滞(不良債権、NPL)の比率が9.8%に達したと明らかにした。「2桁に近い水準で、注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。NCBは、銀行などから信用情報を集め、貸し手に提供する機関である。

NCBによると、家計債務の総額は約13兆6000億バーツ(2026年6月時点)で、ここ1〜2年はほぼ横ばいだ。GDPに対する比率は下がっているが、質が悪化している。さらに、中小企業(SME)が債務の返済条件を見直す「再編」を受けたのに、再びNPLに戻る割合が増えている。

商品別では、自動車以外のリース(オートバイ、IT機器、携帯電話、家電)のNPL比率が、ほかの商品より目立って高い。少額の「ナノファイナンス」(零細事業者向けの小口融資)でも、不良債権が大きく増えた。口座数は大きく増えているのに総額は変わらず、1口座あたりの金額が小さくなっている。

タイ中央銀行によると、2026年4〜6月期の銀行全体のNPL比率は2.82%で、銀行の健全性は保たれている。ただし、SME向け融資は前年同期比4.6%減り、16四半期続けて縮んだ。家計債務はGDP比で85.9%に下がったが、水準はなお高い。不良債権の比率が2桁に近づくと、銀行は貸し出しに慎重になり、新規の融資が絞られやすい。家計の返済負担が重くなれば、個人消費にも影響が及びかねない。

NCBは、公共料金の支払い履歴などの「代替データ」を使い、小規模事業者が融資を受けやすくする方法も検討。ただ、現行法では、こうしたデータを標準の信用スコアに混ぜられない。そのため、国境を越えた信用情報の共有も検討しており、シンガポールとカンボジアはすでに覚書を結んだ。

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