【車両】タイ、EV用電池をTIS強制規格へ、2027年5月施行で安全基準を強化

タイ工業省は、電気自動車(EV)と電動バイクのバッテリーを「規制品」に指定する方針を固めた。ワラウット工業相によると、同省は閣議に承認を求めており、2027年5月の施行を見込む。EVの火災事故をめぐって消費者の不安が高まったことが背景にある。
対象となる規格は2つ。乗用車・商用車向けのTIS3026-2563と、電動バイク向けのTIS2952-2561だ。TISとはタイ工業規格のことで、工業製品規格局(TISI)が所管している。前者は国連の車両安全基準UN R100、後者はUN R136を参照しており、電動の駆動システムや電池の安全性を確かめる内容となっている。
規制品に指定されると、規格を満たしたTISマークのない製品は製造も輸入も販売もできなくなる。メーカーや輸入業者は、事前に当局の許可を取らなければならない。2020年にモバイルバッテリーが規制品となった際には、無許可での輸入に最大で禁錮2年、罰金200万バーツが科されると周知された経緯がある。
タイではEV市場が急拡大している。FTIによると、1〜9月のBEV新規登録は19万1273台と前年同期比で83.03%増加し、9月末の累計登録台数は56万1978台に達した。BEV乗用車の販売も1〜9月で16万1532台と同98.56%伸びている。普及が進むほど安全面への目配りは欠かせないが、既存の規格は新品の電池を前提としており、使用済み電池の管理まではカバーしきれていないとする問題点も指摘も出ている。
今回の措置は、タイで電池を組み立てる完成車メーカーや、電池セル・モジュールを輸入する部品メーカーに直接関わってくる。認証の取得には試験と審査の期間が必要だ。施行まで残りは約半年。日系企業は自社製品の認証状況を早めに点検しておく必要がありそうだ。
