【製造】タイ工業省、産業廃棄物処理工場を一斉検査 初日80カ所で1工場に操業停止

タイ工業省が、産業廃棄物の処理工場に対する大規模な立ち入り検査に乗り出した。ワラウット工業相は11月3日、特別作業チームによる初日の検査結果を明らかにした。対象地域は東部のチャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーン、プラチンブリと首都圏のサムットプラカンの5県で、1県当たり10チーム、計50チームを投入した。

初日に検査したのは80工場。内訳は、工場法の分類で105番にあたる廃棄物の選別・埋め立て工場が26カ所、106番にあたるリサイクル工場が52カ所、金属くずの圧縮工場など他業種が2カ所だった。このうち1工場に操業の一時停止と改善を命じ、63工場に改善命令を出した。さらにサムットプラカン、チョンブリ、チャチュンサオの3工場については、営業許可の取り消しにつながる閉鎖命令の手続きを進めている。

検査は一度きりでは終わらない。工業省は全国で3049カ所の工場を検査の目標に据えており、作業チームは期間中、継続して現地に入る。工場局のほか、国内治安維持部隊(ISOC)や天然資源環境省、内務省、地方自治体も協力する。

取り締まり強化の背景には、廃棄物を巡る問題の相次ぐ表面化がある。プラチンブリ県では工場から流れたとみられる化学物質で水や農地が汚染され、住民の不安が広がっている。10月末には首相が関係機関に対し、有害廃棄物の密輸入や不法な埋め立ての阻止を指示していた。

今回の対象5県は、日系企業の工場が多く集まる地域と重なる。製造業では、工場から出る廃棄物の処理を外部の業者に委託するのが一般的だ。委託先が操業停止や許可取り消しとなれば、廃棄物の行き場を失い、生産に影響が出るおそれもある。日系各社にとっては、委託先の許可の有無や処理の実態を改めて点検し、代わりの業者も想定しておくことが欠かせない。

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