タイ下院総選挙 タクシン派政党が最多議席獲得の見通しも先行きは不透明
中央選挙管理委員会は25日午後4時、24日に行われたタイ下院総選挙(定数500/ 小選挙区350、比例代表150)での小選挙区当選者を非公式発表した。それによればトップはタクシン元首相を支持するタイ貢献党で137議席。以下、国民国家の力党97議席、タイ威信党39議席、民主党33議席、新未来党30議席、タイ国民開発党6議席、国家開発党1議席、プラチャーチャート党6議席、タイ国民団結党1議席と続く。
この票数に比例代表の議席が加わるわけであるが、中央選管は25日午後2時、5月9日に小選挙区当選者の公式発表とあわせて比例代表の議席数を公表すると明言。中央選管のチャルンウィット事務局長はさらに、「マスコミ各社が勝手に政党別比例代表議員数を算出・発表し国民を混乱させている」と批判するコメントも出した。現行憲法85条の規定によれば、中央選管は投票日から60日以内に下院全議席(500)の95%の当選を認定することが義務付けられている。それまでは選挙違反等の調査が行われ地区によっては再選挙となるため、各党の獲得票数は変わる可能性があり、比例代表での議席も確定できない。
ただ、その現地マスコミの「独自集計」によれば、タイ貢献党は比例代表は議席を獲得できず137議席。国民国家の力党は21議席前後で合計116~120議席で次点となる見通し。現時点で最多議席獲得の可能性が高いタイ貢献党のスダラット首相候補は「第一党が政権党となるべき」と明言しており、さらに第三党候補の新未来党、および第五党候補のタイ威信党の党首からも同様の発言が出ている。
しかし、国民国家の力党では「連立政党を合わせ下院過半数を獲得できれば政権党になる資格がある」「(議席数は次点でも)全選挙区での獲得票数はトップ」としており、すでに連立政権樹立に意欲を示していることから、今後水面下で政党との連立交渉が激化することにもなりそうだ。