タイ中部の原子炉建設計画に地元が反対 当局釈明「よそ者が誤情報拡散」
タイ中部ナコンナヨック県オンカラック郡に研究用原子炉を建設するという以前からあるプロジェクトについて、地元の反対グループが先にデモを行い研究炉建設で地元に悪影響が及ぶなどと訴えたが、タイ原子力技術研究所(TINT)はこのほど、「プロジェクトはまだ初段階にあり、環境・健康影響アセスメントも終わっていない」と説明。プロジェクトの是非を決めるのは時期尚早との見方を示した。
ハンナロンTINT副所長によれば、環境・健康影響アセスメントの一環である公聴会は昨年開始され、数カ月後に完了する予定。また地元民の9割はプロジェクトに賛成しており、反対しているのは他所から来た者で、研究炉に関する誤情報を拡散しているとのことだ。
なお、総工費50億バーツとされた同プロジェクトは1989年に閣議で承認されたが、10年前に不正などが発覚し棚上げとなった。ただ、現在バンコク都バンケン区にある2メガワットの研究炉は能力が限られていることから、TINTは同プロジェクトを復活させる形でオンカラックに160億バーツを投じて20メガワットの研究炉を建設することを提案している。