新未来党は政党法違反で解党処分 憲法裁、党首からの借入金に違憲判断
憲法裁判所は2月21日、新未来党がタナトン同党党首から1億9120万バーツを借りたのは政党法違反であるとして同党を解党処分とし、党首を含む党役員を10年間の公民権停止にするとの判断を示した。
憲法裁では、党首からの借入金は、同一個人から政党への献金は年間1000万バーツまでと規定した同法66条で「他の利益」とされているものに該当し、借り入れは同法に抵触すると判断した。
なお、タイは昨年3月に民政復帰の総選挙が行われたものの、それまでの軍政で首相を務めたプラユット元陸軍司令官が総選挙後に誕生した親軍部の政党が中核をなす現政権でも首相を務めることになったが、総選挙で反軍部の姿勢を鮮明にして第3党となった新党の新未来党(野党第2党)やタイ貢献党(最大野党)は事実上軍政が続いているような現在の状況を強く批判してきた。
このため、新未来党のタナトン党首が先に株所有問題で議員資格を失ったことに加えて今回同党に解党処分が下されたことで、現政権に対しては「司法を通じて政敵をつぶしにかかっている」といった批判が一部で強まっている。