25年3月のタイ自動車市場 ⽣産台数 前年比6.09%減の12万9909台 輸出台数 前年比14.91%減の8万914台 販売台数 前年比0.5%減の5万5798台

⽣産台数
タイ最大の経済団体であるタイ工業連盟(FTI)は4月29日、今年3月のタイ国内自動車生産台数を前年比6.09%減の12万9909台と発表した。ただ、前月(25年2月)比では12.49%増えている。前年比で落ち込んだのは輸出向け生産台数が同9.36%減となったためだ。特に新モデル発表を控えている乗用車が同51.18%減と大きく台数を落とした。これに対し、国内販売向け生産台数は同35.01%増と数字を伸ばしている。これはバッテリー式電気自動車(BEV)およびプラグインハイブリッド車(PHEV)の生産が増えたため。ただ、1トンピックアップは同29.32%減と低迷が続いている。第1四半期(今年1月~3月)の累計生産台数は前年比14.88%減の35万2499台となった。
3月の車種別生産台数であるが、乗用車は前年比12.5%減の4万5588台。内訳は、内燃機関車(ICE)が同41.77%減の1万8451台、バッテリー式電気自動車(BEV)が同341.44%増の5412台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が同289.44%増の2360台、ハイブリッド車(HEV)が同4.21%増の1万9365台となり、ICEを除く全車種が数字を伸ばした。
3月の1トンピックアップトラックは前年比0.25%増の8万3417台。また第1四半期の累積台数は前年比8.08%減の23万38台となった。累積台数の内訳は、ピュアピックアップトラックが同12.70%減の4万362台、ピックアップトラックWキャブが同11.43%減の14万2616台、フォーチュナ(トヨタ)・パジェロスポーツ(三菱)・ミューエックス(いすゞ)・テラ(日産)などピックアップ乗用車(PPV)が同9.47%増の4万7060台。
一方、3月の輸出向け生産台数は前年比9.36%減の8万3217台で、総生産台数の64.06%を占めた。車種別生産台数は、乗用車が同51.18%減の1万4022台、1トンピックアップトラックが同9.68%増の6万9195台となった。
これに対し、3月のタイ国内販売向け生産台数は、前年比0.36%増の4万6692台で、総生産台数の35.94%。車種別生産台数は乗用車が同35.01%増の3万1566台、1トンピックアップトラックが同29.32%減の1万4222台となっている。
25年通年の生産台数目標であるが、FTIでは当初、24年実績を2.11%引き上げた150万台に設定。内訳は輸出向け生産が24年実績を0.91%下回る100万台、そして国内販売向け生産が24年実績を8.73%上回る50万台としているが、現在、下方修正を検討している。
輸出台数
FTIが発表した3月の完成車輸出台数は前年比14.91%減の8万914台となった。前年比で落ち込んだ背景には、いくつかのメーカーがモデルチェンジの準備をしているため意図的に輸出量を落としたこと、および輸出先市場で中国産の安いBEVとの競合が激化したことなどから、豪州・中東・欧州・中南米市場向け輸出台数が減少した。その一方で、米国市場および日本市場への自動車部品輸出は拡大している。第1四半期(今年1月~3月)の累積完成車輸出台数は前年比18.63%減の22万139台となっている。
3月の車種別輸出では、全輸出車両台数の64.68%を占める1トンピックアップトラックが前年比3.49%増の5万2337台と少し回復。ICE乗用車は同51.62%減の1万630台(全輸出台数の13.14%)、HEV乗用車は同0.65%増の4920台(同6.08%)、PPVは同6.94%減の1万3027台(同16.15%)となった。
3月の完成車輸出額は、前年比15.47%減の574億1607万バーツ。完成車にエンジン・パーツ等を含めた自動車関連の総輸出額は、同9.52%減の786億8906万バーツとなる。また、第1四半期(今年1月~3月)では、完成車輸出額が前年比17.43%減の1561億8774万バーツ、総輸出額は同14.20%減の2132億9445万バーツとなった。
販売台数
タイ国トヨタ自動車は4月30日、今年3月の新車販売台数を前年比0.5%減の5万5798台と発表した。内訳は乗用車が同5.8%減の2万1054台、商用車は同2.9%増の3万4744台と前年を上回った。ただ、商用車のうち、1トンピックアップトラックは同6.6%減の1万8355台と回復が遅れている。
なお、3月のタイ自動車市場における電動車(xEV)の販売台数は前年比23.1%増の2万3123台となり、全販売台数の41.4%を占めた。内訳はハイブリッド車(HEV)が同3.6%増の1万3196台、バッテリー式電気自動車(BEV)は同66.9%増の8598台と大きく伸びた.
4月の新車販売予測であるが3月26日から4月6日までバンコク郊外で開催された「第46回バンコク国際モーターショー2025」での成約件数が前年比44.8%増と好調だったことから、上昇基調が続くものとトヨタは期待する。
⼆輪⾞市場
FTI が発表した3月の二輪車生産台数は前年比6.54%増の23万3782台となった。3月の内訳であるが、完成車(CBU)は同3.41%増の18万5931台、ノックダウン車(CKD)が同20.75%増の4万7851台となった。第1四半期(今年1月~3月)の生産台数は、前年比0.71%増の66万4485台。内訳はCBUが前年比0.36%減の53万1458台、CKDが同5.26%増の13万3027台となる。
3月の二輪車輸出台数であるが、CBU とCKD を合わせた輸出台数は前年比6.62%増の9万1951台となった。前月(25年2月)比でも19.03%増と伸びている。一方、輸出額は前年比6.55%減の67億3153万バーツと数字を落とした。主要輸出先であるがトップは米国で全輸出台数の20.47%を占める。以下、英国(シェア13.29%)、ベルギー(同11.89%)、日本(同8.74%)と続く。
なお、タイ国内の販売台数であるが、3月は前年比0.93%増の15万1331台。第1四半期(今年1月~3月)は前年比1.71%増の45万5244台となった。
バッテリー式電気⾃動⾞(BEV)登録台数
FTIによれば、3月のバッテリー式電気自動車(BEV)の車両登録台数は前年比33.20%増の9905台となった。内訳は、乗用車等が同57.31%増の7839台、ピックアップ・バンが同14.29%減の18台、オート三輪が前年同数の3台、二輪車が同15.55%減の1998台となった。また、第1四半期(今年1月~3月)の累計BEV車両登録台数は前年比7.66%増の3万1991台となる。なお、今年3月31日時点での累計BEV登録台数は25万8982台となっている。
一方、3月のハイブリッド車(HEV)の車両登録台数は前年比4.92%増の1万2570台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は同132.65%増の2038台。第1四半期ではそれぞれ前年比0.13%増の3万8165台、同52.47%増の4132台となった。