会社設立
会社設立に関する手続き全般、許認可申請等の業務を代行致します。
タイでビジネスを始めるための第一歩が「会社設立」です。
いきなりここでつまずかないよう、経験豊富なスタッフが円滑なスタートをお手伝いいたします。
事業を立ち上げる上で必要な手続き(以下の項目)全てを代行しております。是非、一度、お気軽にお問合せ下さい。
・会社設立
・増資・減資・住所変更・株主変更
・タイ投資委員会(BOI)申請代行
・ビザおよびワークパーミット(労働許可証)の申請
・各種許認可の申請代行(酒類販売・食品輸入・旅行業・サービス業など)
・会社清算手続き
➤➤料金につきましてはこちらをご覧ください。
会社設立の流れ
日本の企業がタイに進出してビジネスを始める場合、非公開株式会社での開始が一般的となっております。ここではその方法をメインにご紹介致します。
書類、サインなどが滞りなく揃っている場合、手続き開始から設立終了、業務開始までの目安は1週間です。
設立手続きに関する書類はすべてタイ語となっております(英語版は公的書類ではありません)。
まず、手続きの開始前に、最低限以下のことを決めておきましょう。
・オフィス、工場など業務を行う場所(住所)
・会社名(3つほど候補をタイ語と英語で)
・申請書などの署名に手間取らない2名の発起人(全員日本人でも可能)
・株主リスト
会社名を登録
まず会社の名前を商務省に登録します。既に登記されている会社名は許可されません。タイ語と英語の名前を用意しますが、タイ語と英語は同じ名前でなければなりません。それから英語名の末尾には必ずLimitedまたはLtd.をつけてください。また、Thailandという文言をいれる場合は必ず(Thailand)と括弧表記にします。
第一候補1つ、予備2つを用意し、商務省で商号を予約します。発起人1名の名前、住所、パスポートのコピーがあれば予約可能です。商号が受理された後、30日以内に法人登記申請を行います。
※ここに注意
英語の表記発音とタイ語で表記発音のズレが大きい場合がありますので、事前によくご確認ください。
会社印の作成
会社名の予約が終わりましたら、会社印(Company Seal)を作りましょう。会社の書類に使用する重要な会社印ですが、あまり深刻に考える必要はありません。会社登記を代行している会社にお願いすれば2~3のデザインを用意してくれます。
発起人の決定
発起人総会を開催するため、会社の発起人が2名以上必要となります。全員外国人でも問題ありません(法人は発起人になれません)。ただし、発起人は全員、基本定款にサインをする必要があるため、サインを簡単にもらえる方にしたほうが無難です。発起人は最低1株以上引き受けなくてはいけません。
株主の決定
株主は最低2名以上必要になりますが、非公開株式会社の場合、100名未満でなければなりません。また個人、法人ともに可能です。外資規制、BOI規定などに応じて持ち株比率を検討してください。
株の額面は5バーツ以上になっておりますが、通常100バーツか1000バーツで発行します。原則、記名した株券は実際に発行しなければなりません。
また、特定の株主に対して、配当に対する優先株を発行することで議決権を制限することも可能です。(ただし議決権ゼロは不可)
※ここに注意
付属定款になにも記載されない場合、株主総会は25%以上の株主の参加によって開催できます。
取締役の決定
取締役は外国人でも構いません。取締役は会社登記書類への署名が必要になります。その中から、代表取締役を決定します。タイでの代表取締役とは「サイン権のある取締役」という意味です。代表取締役だからと言って肩書きがPresident、Managing Director である必要はありません。
監査人の決定
タイでは非公開株式会社設立時に社外の会計監査人(公認会計士)を誰にするかを商務省に届け出る必要があります。日本でいう監査役の制度はありません。
資本金の決定
払い込み資本金は実際のところ25%で認められます。払い込み期限が設けられていないため、未払込みのままでも問題ありません。ただし、日本人社員を1名雇用するためには1名の日本人当たり資本金200万バーツの払い込み(さらにタイ人従業員4名の雇用)が必要とされます。
納税者登録
VAT事業者登録を行います。現在、TAX IDは必要なくなりました。法人登記番号がTAX IDとなります。
銀行口座の開設
以上の手続きが終わるとようやく銀行口座が開設できます。ここで質問ですが、「会社登記時に申請した「資本金額」はどの時点で払込みを証明するのでしょうか?」 ⇒ 答えは「会社設立の途中、資本金が払われているかどうかの確認はありませんので、銀行口座が開設された時点で払込めば問題ありません」
外国人事業法と外資規制
外国人事業法により、製造業を除くほぼ全ての産業が外資規制の対象となっているため、タイで会社を設立する場合、例外を除いて、外資が独資、もしくは過半数の資本を握って事業を始めることは不可能です。
そのため、タイ資本51%、外資49%という比率でスタートすることが一般的です。
そこで、信頼出来るタイ人、タイ企業のパートナーを探すことから会社設立は始まります。
独資で事業を開始するには?
通常、タイ資本51%が会社設立のためのルールとなっておりますが、例外としてタイ投資委員会(BOI)を利用することで独資でスタートすることも可能となります。
BOIを利用することで一定期間、法人税免除、製造機械の輸入関税免除、労働許可発行の簡略化などのメリットもあります。詳しくはこちらをご参照ください。
会計責任者、月次報告と決算
タイの会計法によれば、以下に示す一定規模の会社では経理マネージャーとして、商務省指定の大学を卒業した会計学士以上の学歴を持つ者を会計記録責任者として雇用しなければなりません。会社は会計記録責任者を雇用したことを商務省に届けます。また、会計記録責任者は商務省指定の研修を毎年受講しなければなりません。また、会計事務所への外注も可能です。
・登録資本金500万バーツ以上の非公開株式会社
・総資本金3000万バーツ以上の非公開株式会社
・総収益3000万バーツ以上の非公開株式会社
・BOIの認可を受けた企業
なお、BOIの認可企業は、BOIの経理処理を熟知した専門の経理を雇わなければなりません。
➤➤12ヶ月を越えない期間で決算を行い、決算日から150日以内に法人税の確定申告を行います。また、毎月以下の申告・納付をしなければなりません。
・源泉徴収税
・付加価値税(VAT)
・社会保険料
➤➤タイ独特の中間申告とペナルティー
中間申告として、中間末から60日以内に年間の予想利益を見積もり、その法人税の半分相当を申告・納税します。ただし、中間申告での予想利益が決算後の確定申告の際の実際の利益より25%以上下回っていると、不足税額に対して20%を追加徴収されます。
就業規則と労働者保護法
労働時間は1日8時間以下、1週間48時間以下と定められています。
時間外労働に関しては1.5倍、休日労働に関しては2倍、休日の時間外労働に関しては3倍の賃金を支払わなくてはいけません。ただし、管理職に関しては時間外手当てを払わなくてもよいという規定はありますが、導入にあたっては注意が必要です。
雇用者は、被雇用者が10人以上になった日より15日以内にタイ語で就業規則を施行します。事務所に常時保管します。また、その規則を公表し、被雇用者に周知させ被雇用者が容易にみられるよう、事務所内の公の場所に提示します(労働者保護法第108条)。
自社で独自に作成するのは大変難しいので、専門家などにフォーマットを用意してもらう方がよろしいでしょう。雇用契約書の作成も忘れないでください。
■欠勤
①病欠
試用期間中の従業員も含め、病気・怪我の場合、年間30日の休暇が認められます。連続3日以上の欠勤でなければ診断書の提出は不要です。そのため、「今日は風邪です」と電話すれば従業員は休むことができ、会社はそれをとがめることができません。
②有給
1年経過した社員に年間6日間以上の有給休暇を認めなければなりません。未消化分の有給休暇については雇用者及び被雇用者の事前の合意により、次年度の繰越が可能です【労働者保護法第30条】
③兵役
徴兵されたからといって解雇することはできません。また、徴兵期間中の60日間は有給休暇扱いとなります。
④出家
有給との規定はありません。そのため、各社任意で就業規則に定めます。ただしタイでは「男子の最高の親孝行は出家すること」ということは知っておいた方がいいかもしれません。
⑤出産
妊娠を理由に解雇することはできません。会社は90日の休日を認め、そのうち45日間を有給休暇としなければなりません。なお、妊娠していると知らずに雇用し、数ヵ月後に「出産休暇」を申請されるケースもあります。
■解雇
①会社に対する不正行為
②故意の過失
③不注意による重大過失
④職務放棄3日間
⑤禁固刑の確定
労働者保護法では解雇にあたっては、上記の違反者を解雇する以外、認められておりません。従業員を労働者保護法に定められた理由以外で懲戒解雇するためには、雇用契約書・就業規則にあらかじめ想定した条件を記載するべきです(ただし、労働省にその項目が有効であることを認めてもらう必要があります)。ちなみに、事務所が遠方に移転する場合、これに同意しないで退職する従業員にも、被雇用者が雇用契約の終了を通知した日より7日以内に、解雇保証金を支払う義務があります。
また、試用期間中(一般には雇用から119日以内)なら会社都合で解雇しても解雇保証金は発生しません。但し、事前通告が必要となり、通知後2回目の給料日をもって解雇が成立します。それに反する場合、解雇保証金30日分を支払う義務が生じます。
ちなみに、罰金などペナルティーを課すことも基本的には労働者保護法違反となります。
ダメな社員と分かったときは、大変悔しいことですが、労働者保護法に準拠し解雇保証金を支払い、一筆書いてもらい辞めてもらうのが一番スマートな方法かもしれません。「労働裁判所に訴えられた」と経営者の皆様から良く聞きます。
■労働者保護法が定める解雇保証金
勤続120日以上1年以下 30日分
勤続1年以上3年以下 90日分
勤続3年以上6年以下 180日分
勤続6年以上10年以下 240日分
勤続10年以上 300日分
勤続20年以上 400日分
最低賃金と業種別平均給与
■業種別平均賃金
盤谷日本人商工会議所発行『賃金労務実態調査報告書』(2018年調査)より学歴別初任給(基本給)
【製造業】
<高卒>ワーカー 9810バーツ
<職高>事務職 10000バーツ/技術職 10000バーツ/ワーカー 9900バーツ
<技短>事務職 11000バーツ/技術職 11500バーツ
<大卒>事務職 15000バーツ/技術職 16000バーツ
<院卒>事務職 18000バーツ/技術職 19000バーツ
詳しくは、盤谷日本人商工会議所(http://www.jcc.or.th/)が発行している『賃金労務実態調査報告書』をご購入ください。
Japanese Chamber of Commerce, Bangkok
15th FL., Amarin Tower, 500 Ploenchit RD., Lumpini, Patumwan, Bangkok 10330
Tel:02-256-9170~3
Fax:02-652-0931
社会保険
1名でも労働者を雇用した場合、会社は30日以内に社会保険事務所に社会保険と労働者災害補償基金の加入申請を同時に行います。
■社会保険
社会保険に加入しますと指定した1カ所の病院で無料で治療を受けることができます。保険料は従業員が給与の5%(最大750バーツ)、会社が5%を毎月負担します。出産手当、失業保険なども含まれております。
ただし、社会保険には日本人がよく利用する大手私立病院は含まれておりません。
ちなみに失業保険は最大15000バーツを限度に以下の手当てが支給されます。日本人も申請可能です。
:自主退職の場合、給与の30%を3カ月
:解雇の場合、給与の50%を3カ月
■労災補償基金
毎年1月に労働者1名あたり、見積年間賃金(最高240,000バーツ)に、業種別危険度に応じた拠出金率(0.2~1.0%)を掛けたものを全額会社負担で支払います。