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ランシット⼤学 環境に優しいゴルフコース「RSUビスタゴルフコース」を運営  

タイの私立総合大学であるランシット大学(パトゥムタニ県)が環境に優しいゴルフコース「RSUビスタゴルフコース」を2023年5月18日にオープンした。同大学は近接するゴルフ場「ビスタゴルフコース」を22年買収。運営会社としてランシット大学が過半数を出資するRSUビスタゴルフコース社を設立した。

ランシット大学では買収理由について、ゴルフというスポーツは①健康増進・礼儀作法指導に役立つ②老若男女がプレーできる③富裕層だけでなく幅広い層の市民が楽しめる―ことから、生涯学習に通じるものがあるためと説明する。そのため、ゴルフ人口拡大を狙い、平日のグリーンフィー+キャディーフィーは700バーツもしくは800バーツ(休日は1200バーツ)、平日正午以降はこれにカート料金も含め18ホール1000バーツに設定するなど料金面での垣根を低くした。さらに、短期レクチャーコースを設けるなど、子どもを含む未経験者の受け入れ門戸を広げている。

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観光・スポーツ学部ゴルフ学科開設

ランシット大学はゴルフコース買収に先立ち、22年5月11日、観光・スポーツ学部ゴルフ学科(ゴルフアカデミー)を開設。今のところ講義はタイ語のみであるが、タイ人のほか外国人も学んでいる。RSUビスタゴルフコース社の社長を務めるサシターラー・ピチャイチャンナロン元教育事務次官は、世界は変化しており、ゴルフ選手も成功するためには学問的・理論的バックボーンが必要な時代になっていると話す。23年は開講2年目になるが、学士・修士・博士課程にそれぞれ、初年度は6人・2人・3人、次年度は9人・3人・6人が入学。受講科目は人体科学、運動力学、スポーツ心理学などのほか、情報科学などゴルフに直接関係のない講義も選択できる。卒業単位は120単位で日本の大学と大差ない。在校生はゴルフコースおよび関連施設を使用できる。

卒業後の進路はプロゴルファー、ゴルフ関連産業などを想定。学士号取得後、修士課程・博士課程に進学する学生もいるとみる。タイ国内のゴルフコースは200~ 300カ所とされており(日本は2000超え)、24年はLIVゴルフツアーのタイ開催が予定されるなど、ゴルフ関連産業の将来性は明るいとサシターラー社長は力を込める。

SDGs実現に向けた積極的な取り組み

RSUゴルフコースの特色であるが、実質的に教育機関が運していることもあり、SDGs(持続可能な開発目標)実現に向けた取り組みが積極的に行われている。例えば、工学部では、空になったペットボトルをペレット化した後、石や砂などのコンクリート材料として使用してコース内の道路を舗装する実験を進めている。アスファルトは個々の材料をつなぎとめるためのバインダーとしての役割を持つが、ペレットの場合、石や砂などと比べ摩擦力が弱いため強度が劣化する。そのため、ペレットをコンクリート内で固定するためのアスファルト改良、およびペレットの種類と量の見極めが必要だ。廃プラスチックを使うことでに二酸化炭素排出量の削減が期待できることから、第1フェーズとして4キロのコース内道路を舗装。耐久性、維持費・施工費など総合的に判断して、今後拡張していくかどうかを決める。

このほか、東洋医学学部は環境に優しシャンプー・石鹸・ジェルを、食品技術学部は植物性たんぱく質を使用したメニューを開発。物理療法・スポーツ学部はゴルファーのためのトレーニングメニューを作成している。芝などゴルフ場の環境維持にはバイオ技術を導入。なお、芝の水やりなどにはコース内の池(ウォーターハザード)の貯水を使用する。この池は周辺エリアを大洪水から守るため遊水地としても活用する。

さらにソーラーパネル設置も検討しており、ゴルフコースで使する総電力の3 ~ 4割を賄う方針だ。太陽光発電の実用化後、ナイターコースの設置も計画している。サシターラー社長によれば、ゴルフプレーだけでなく、ゴルフコースで行われているさまざまな試みの視察も歓迎するとのことだ。

ゴルフコースの一画で新種バナナ栽培も

一方、ゴルフ場の一角では新種バナナの栽培も行っている。ランシット大学学長補佐のテムラック・チャオ氏は同氏の地元である南部ナコンシタマラート県とバナナの品種改良を進めている。このバナナは皮が赤く、中は濃い黄色で味が濃厚。2年前から収穫しているが、現時点では、苗木のみ1 本200バーツでネット販売している。

※ 参考動画 (https://www.youtube.com/watch?v=Fg1AA2zLoHw

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