【貿易】タイの対中貿易赤字が26年1〜3月で41%拡大 安価輸入品が国内産業を圧迫
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タイの対中貿易赤字が急速に膨らんでいる。商務省の貿易統計(関税局Vベース)によれば、2026年1〜3月期のタイ・中国間の貿易総額は1兆2780億バーツ(前年同期比18.78%増)に達した。一方、タイの対中輸出は2994億2300万バーツにとどまり、伸びはわず0.70%にすぎない。対照的に中国からの輸入は9791億6000万バーツと25.68%増加し、貿易赤字は6797億3700万バーツと41%も拡大した。
輸入の主力品目はコンピューターおよび部品(555億7700万バーツ、前年比30%増)、金属くず・鉱石(431億6000万バーツ、同48%増)、鉄鋼製品(352億4100万バーツ)など工業資材・原材料が中心だ。タイ国内の中国系工場が生産拡大に伴って本国から機械・部材を調達する動きが赤字拡大の一因となっている。
目次
廉価品の流通拡大と雇用への影響
タイ商工会議所大学のアート准教授は、中国がASEAN向けに輸出先を転換したことに加え、Eコマースプラットフォームを通じた廉価品の流通拡大が国内製造業を直撃していると分析する。タイの鉄鋼・ゴム製品産業では稼働率が30%を割り込む工場も出ており、雇用縮小につながるおそれが高まっている。2025年通年の対中貿易赤字はすでに2兆2600億バーツ(前年比約40%増)に達しており、2026年はさらに過去最大を更新する見通しだ。
