【経済】タイ民間3団体が成長率見通しを下方修正 エネルギー高と労働不足が重石
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タイ民間経済三団体(タイ商工会議所・タイ工業連盟・タイ銀行協会)の合同委員会(JSCCIB)は5月19日、2026年の国内総生産(GDP)成長率予測を従来の1.6〜2.0%から1.2〜1.6%へ引き下げた。中東情勢の長期化によるエネルギー価格の高止まりと、製造現場を中心とした深刻な労働力不足が、下方修正の主因だ。
会合を主宰したタイ工業連盟(FTI)のピムジャイ会長は、ホルムズ海峡の機能が3カ月以上正常化していないと指摘。エネルギー供給の不安定が企業のコストを押し上げ、特にエネルギー集約型の製造業への打撃が大きいと述べた。
目次
インフレ見通しも大幅に引き上げ
インフレ率の見通しも従来の0.2〜0.7%から大幅に上方修正し、2.0〜3.0%のレンジへ変更した。輸出見通しは変わらずマイナス1.5〜マイナス0.5%を維持する。一方、1〜3月期(Q1)のGDPは前年比2.8%増と市場予想を上回ったが、成長の恩恵は電子・AI関連製品など一部セクターに集中し、製造業全体への波及は限定的だった。なお、テクノロジー製品の輸出は12期連続で45%超の伸びを記録している。
JSCCIBはまた、政府に対し、外国人労働者の就労ビザ手続きの迅速化を強く求めた。タイ政府がOECDへの加盟を目指す中、労働力不足の解消は製造業の競争力維持に不可欠との認識で三団体の意見は一致している。タイに生産拠点を持つ日系企業にとっては、エネルギーコスト上昇と労働力確保の両面で、2026年後半の事業計画を再点検する必要性が高まっている。
