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【車両】タイの商用EV転換が本格化 全国のバスや空港タクシーにも普及拡大

タイの脱炭素化に向けたEV(電気自動車)転換が、旅客バスや空港タクシーなど商用車分野で着実に進行中。国営電力会社EGATの子会社イノパワーは、観光地として知られるカンチャナブリ県で電気バスを実用運行し、排ガス削減とグリーン観光の両立を図るモデルとして注目を集めている。

イノパワーは今年中に全国200台規模への車両拡大を計画。政府が今年内の成立を目指す気候変動法が施行されれば、温室効果ガス削減分を炭素クレジットとして売却できる仕組みが整い、EVバス事業の採算性が大きく改善する見通しだ。スワンナプーム空港を運営するタイ空港公社(AOT)も空港内タクシーのEV化を進めているほか、バンコク都市交通公社(BMTA)は老朽化した無空調バス1520台をEVに置き換えることを検討している。

しかし普及を阻む壁は依然として高い。車両の初期コストが割高なうえ、充電インフラの整備は主要観光地を除くと遅れが目立つ。国内でのEV製造能力や部品調達体制は確立途上であり、政府の需要喚起策と製造基盤の強化が同時に求められる状況だ。

バッテリー式電気自動車(BEV)の2025年国内生産は前年比6倍の7万914台に達しており、タイのEV化は勢いを増している。ただ、商用車分野では、乗用車ほど優遇策が整備されておらず、事業者の投資判断を後押しする制度設計が急がれる。日系の自動車部品メーカーにとっては、バス用駆動モーターや電池パック、充電システム向けの部品需要が新たな市場機会ともなり得る。

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