【政治】アヌティン首相、外資誘致へ改革姿勢を強調 「不確実性」対策に4つの方針
アヌティン首相は6月12日、バンコクで開かれた「JFCCT(タイ国外国商工会議所連合会)」主催の昼食会で講演し、外国企業の投資環境を改善するための改革方針を示した。JFCCTは在タイの欧米・日系を含む外国商工会議所が加盟する団体で、創立50周年を迎えている。会場には外国商工会議所幹部や企業関係者ら約400人が出席した。
首相は講演で、最近の経営者との対話で繰り返し聞かれる言葉として「不確実性」を挙げた。世界的な供給網の再編や技術革新、地政学的な緊張が投資判断に影響を与えており、コストの安さだけでは投資先として選ばれない時代になったと指摘する。
こうした状況を踏まえ、政府が掲げる4つの方針のうち、特に注目されているのが投資手続きの迅速化だ。新規投資の許認可をまとめて短期間で処理する「タイランド・ファストパス」制度では、すでに25件・総額2230億バーツ規模の案件が手続きの簡略化という形で恩恵を受けたという。同制度は、デジタル・AI、半導体・電子部品、ロボット・自動化、自動車、バイオ分野など、投資額10億バーツ以上の重点分野を主な対象としている。
残る3つの方針として首相は、半導体やAI(人工知能)、ロボット、クリーンエネルギー、EV(電気自動車)など成長産業の育成、AIを使いこなせる人材の育成、そしてASEAN(東南アジア諸国連合)の成長を取り込む形での世界経済との統合を挙げた。OECD(経済協力開発機構)への加盟交渉も、規制の透明性を高める手段として位置づけられている。
タイに進出する日系企業にとっては、許認可の迅速化や規制緩和がどこまで進むかが今後の関心事となる。中央政府方針の発表が相次ぐ一方、現場での運用がどう変わるかは注視したい点ではあるが、投資許認可の速さが、工場新設や事業拡大を計画する際の判断材料となることは確かだ。
