【政治】タイ海軍、カンボジア国境の海上構造物めぐる不作為批判に異例の反論を表明
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タイ海軍は、タイ・カンボジア間で領有権が重なる係争海域に建設された堆積物保持構造物をめぐり、対応を怠ったとするSNS上の批判を否定した。あらゆる外交チャネルを通じて建設に反対してきたとし、計画通りの完成を阻止してきたと主張する。
海軍は声明で、国益保護の義務を怠ったとの指摘は不完全な情報に基づくものであり、事実関係について世論に誤解を与えかねないと反論した。問題となっている構造物は、カンボジア民間セクターの開発事業に付随してトラート県沿岸の係争海域に建設されたとされる。
国境問題、エネルギー権益にも波及
タイの海洋沿岸資源局(DMCR)は2025年12月、同構造物が堆積物の流れを変化させ、長期的にはタイ側の海岸侵食や生態系への悪影響、さらには将来の海上境界画定に支障をきたしかねないと警告していた経緯がある。海軍は地域国境委員会を通じてカンボジア側に懸念を伝え、撤去で合意したとしていたが、実際には一部のみの撤去にとどまっているとの指摘もある。
両国の国境問題は2025年に二度の武力衝突に発展し、双方で多数の住民が避難を余儀なくされたほか、国境が長期間にわたり閉鎖された。タイ政府は今年5月、タイ湾の重複海域における共同資源開発の枠組みを定めた2001年の覚書を一方的に破棄。カンボジアは6月、国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく調停手続きの開始を申し立てた。係争海域は約2万6000平方キロメートルにおよび、推定3000億ドル相当の石油・天然ガス資源が眠るとされる。両国とも自国の主権と海洋権益の保護を主張しており、関係の緊張は当面続く見通しだ。
